辰吉寿以輝、流血しながらも対サウスポー初勝利 デビュー17戦無敗もリングサイドの父・丈一郎は辛口評価

スポーツ報知
5回、流血しながらもチャイワット(右)にプレスをかける辰吉寿以輝。判定勝ちし、対サウスポーは初勝利(カメラ・田村 龍一)

◆プロボクシング▽スーパーバンタム級(55・3キロ以下)8回戦 〇辰吉寿以輝(判定3―0)チャイワット・ブアトクラトック●(18日・エディオンアリーナ大阪第2競技場)

 元WBC世界バンタム級王者・辰吉丈一郎(54)の次男で、日本スーパーバンタム級12位の辰吉寿以輝(27)=大阪帝拳=が17日、興行メインでプロ17戦目に臨み、チャイワット・ブアトクラトック(32)=タイ=に判定3―0で勝利した。サウスポーに苦戦し、リングサイドで観戦した父からは辛口な評価を受けた。通算成績は寿以輝が16勝(10KO)1分け、チャイワットが41勝(27KO)10敗。

 勝者とは思えない顔だった。両目周辺から流血した寿以輝は判定勝ちにも笑顔なし。「スカッと勝ちたかった。やっぱり倒して勝ちたかった」と無敗はキープもKOを逃し、悔しそうだ。

 プロ51戦目のチャイワット相手に3回、左目上を偶然のバッティングでカット。7回には相手のパンチで右目尻から流血した。だが、父譲りの負けん気でひるまず、黄色のトランクスを真っ赤に染めながら果敢にボディーなどを攻め、7回にはダウン寸前に追い込んだ。最大6ポイント差をつける判定3―0。2回負傷引き分けだった20年11月の今村和寛(本田F)戦以来、2戦目の対左で初勝利も「(チャイワットは)手が長いし、独特のリズム」と苦戦した。

 試合中、小学1年生の長女・莉羽(りう)ちゃんは血を流すパパを見て号泣。泣き声は寿以輝にも聞こえた。丈一郎は「自分の親が血出てたらそら嫌やろ」と孫をなだめたが、息子には厳しかった。試合後「下手くそや」とピシャリ。「サウスポーとやり慣れてないから、教えたつもりやったけど。ジャブの練習しろって言ったのに」と実行しない寿以輝に苦言を呈した。

 寿以輝は日本か地域タイトル挑戦を狙うが「自分からやりたいとは今日の内容じゃ言えない。天才肌じゃないから練習します」と反省。“浪速のジョー”と親しまれた父の背中を追い、戦いは続く。(森脇 瑠香)

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