全盲の精神科医は語る「私は患者さんの心の支援者。患者さんは私の視覚の支援者」 美唄の福場将太さん
全盲の精神科医が美唄市にいる。「美唄すずらんクリニック」副院長の福場将太さん(43)。東京医科大学の在学中、視力が徐々に低下する「網膜色素変性症」と診断された。医師国家試験を受けるか思い悩み、医師になって、見えなくなってきた時には引退も頭をよぎった。視覚障害を抱え、日々患者に向き合う福場さんに思いを聞いた。(くらし報道部編集委員 荻野貴生)
――東京医科大学に進学した理由は何だったのですか。
「父が歯科医で、親族に医師が多かったことから、医療に興味があり、受験しました」
――目は小さいころから悪かったのですか?
「夜、よく見えない夜盲症や視野が狭いという症状がありました。暗い所だけが見えないという認識で、大学生の中ごろまでは普通の生活をしていました」
ふくば・しょうた 1980年広島県呉市生まれ。広島大学附属中・高校を経て、2005年東京医科大学医学科を卒業。翌年医師免許を取得し、江別すずらん病院(江別市)の前身「美唄希望ケ丘病院」に着任。現在は系列の美唄すずらんクリニックの副院長を務める傍ら週に1度、江別すずらん病院に勤務。趣味は音楽と文章を書くこと。所属する医療法人のコラムや「点字毎日」の連載を執筆し、自身のホームページでも情報を発信している。
――大学時代に指導医に病気を指摘されたそうですね。
この後、福場さんの目の症状や北海道に来た経緯などを紹介します
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