ラッパ高らか、神輿進む 美川でおかえり祭り開幕 2年ぶり台車そろう

ラッパの音色が響く中、勇壮に練る神輿=18日午前11時半、IR美川駅前

 白山市美川南町の藤塚神社の春季例大祭で石川県無形民俗文化財の「おかえり祭り」は18日、2日間の日程で開幕した。高らかなラッパが鳴り響く中、2年ぶりに出そろった豪華絢爛(ごうかけんらん)な台車全13台と神輿(みこし)が美川地域を練り歩き、港町は活気に包まれた。輪島市の和太鼓チームも参加し、能登半島地震からの復興に願いを込めた音色をとどろかせた。

  ●旗手に児童が初参加、輪島から子ども太鼓

 「神幸祭(じんこうさい)」と呼ばれる初日は、紋付きはかま姿の美川青年団員らが団歌で士気を高めた後、神輿に続き、台車が「ギィー」と独特のきしみ音を立てて藤塚神社を出発した。昨年の美川今町の台車が横転した事故を受け、今年から全ての台車に転倒防止の安全棒が取り付けられた。

 IR美川駅前の交差点では、美川地域3小学校の児童20人の子どもラッパが力強い音色を響かせた。今年はラッパ手と並ぶ花形の旗手に児童が初めて参加し、体全体を使って勢いよく旗を振った。

 輪島の子どもたちでつくる「輪島祭り太鼓」の演奏では、メンバー12人がキリコ道中太鼓やとまり太鼓で思いっ切りばちを振った。IR美川駅前では能登半島地震の義援金に充てる募金活動が行われた。

 おかえり祭りは藩政期から続き、北前船の寄港地として栄えた港町の歴史を今に伝える。最終日の19日は「還幸祭(かんこうさい)」が行われ、神輿が今年の「おかえり筋」である美川浜町を通って藤塚神社へ戻る。

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