吉野交通 破産手続き開始決定 負債1億2300万円 茨城

経済情報

帝国データバンク水戸支店は20日、貸し切りバス事業者の吉野交通(茨城県筑西市)が水戸地裁下妻支部から破産手続き開始決定を受けたと発表した。決定は2日付。負債は約1億2300万円。

同社は1998年創業、2001年に法人化した。地元の自治会を対象とした観光バスや、民間事業所の通勤バス、学校の部活動送迎バスの運行を主力としていた。だが、全国的に貸し切りバス事故が相次ぎ、国が監査体制を強化したことから、安全対策に係る運行管理費用が膨らみ、収益が悪化した。

新型コロナウイルスの影響で貸し切りバス需要自体も激減。20年9月期の年売上高は、コロナ禍前の半分以下の約2000万円まで低下し、赤字が続いた。コロナ関連融資調達や、バス台数を減らすなどしたが、資金繰りが限界に達し、事業継続を断念した。

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