大阪松竹座「レビュー 春のおどり」制作発表に出席した楊琳(前列右)と舞美りら(同左)らOSKの団員=大阪市内

 OSK日本歌劇団(大阪市)は、トップスター楊琳さんと、トップ娘役の舞美りらさんが8月で退団すると発表した。4月の大阪松竹座での「レビュー 春のおどり」を皮切りに、8月にかけて京都・南座や東京・新橋演舞場で退団公演を行う。楊さんは「最後まで全身全霊、一球入魂、全力投球で努めてまいりたい」と力を込める。

 OSKは1922年に松竹楽劇部として誕生し、今年102周年を迎えた。放映中のNHKの連続テレビ小説「ブギウギ」でも、ヒロインのモデル、笠置シヅ子を輩出した劇団として注目を集めた。

 楊さんは横浜市出身。2007年大阪松竹座「レビュー 春のおどり」で初舞台を踏んだ。コロナ禍の21年4月にトップスターに就任し、100周年の顔としてOSKを盛り上げてきた。

 退団時期はトップ就任時から決めていたといい、「ゴールを定めていた方が充実した舞台人生を送れると思った」と振り返る。ブギウギ放映後の南座公演では満員となる日もあり、OSKを初めて見る観客が連日半数を超えたという。

 OSKは約20年前に存続の危機に直面し、団員が署名活動をするなどした苦しい時期もあった。楊さんの在団歴は新生OSKの歩みとも重なる。楊さんは「OSKに関心を寄せてくださる方が増える中、素晴らしい状態でゴールを迎えられるのがうれしい。奇跡のような運命だと思う」と充実感をにじませた。

 舞美さんは京都市出身で、10年に初舞台。楊さんとの息の合ったデュエットダンスなどで観客を魅了してきた。「実力以上のことを求められることが多く、自分との闘いの連続だった。ダンスのOSKを守り続けてほしい」と声を詰まらせながらも、笑顔で語った。

 4月6~14日に大阪松竹座である「春のおどり」では、和と洋のショーを2本立てで披露する。楊さんは「最後まで誰ひとり欠けることなく、元気とパワーを届けたい」と意気込みを語った。

 チケットの一般発売は2月20日から。(小尾絵生)