「四六時中働くことを強制するメール」を禁止する最新の場所が、カリフォルニア州になるかもしれません。

カリフォルニア州議会では、雇用主からの就業時間外の業務連絡への対応を拒否する権利を労働者に与える法案の審議が進んでいます。

もし法律が可決されれば、労働者の「つながらない権利」を保護しているフランス、オーストラリア、カナダ、イタリア、ベルギー、フィリピンに、カリフォルニアが加わることになります。

会社経営者にとって、この成長するトレンドから得られる1つの教訓は、多くのリーダーが従業員の最善の利益を守ることに失敗しているということ。あまりに失敗しているため、政府が介入しているのです。

筆者自身もいち経営者として、今日の非常に厳しい経済状況の圧力を理解しています。しかし、常につながることを要求するなど、特定の「危険信号」となる行動は、従業員や組織にとって不利益になることがわかっています。

この記事では、絶対に避けるべき3つのリーダーシップの危険信号と、もしそのような危険信号がある場合、どのように軌道修正すべきかについてご紹介します。

1. 非現実的な期待や目標を掲げる

多くのリーダーが、過度に野心的な目標を設定してしまいます。残念ながら、非現実的な目標設定はよくある一方で、それらを達成することは稀であることが研究により明らかになっています。

過度に野心的な目標を設定する結果として、チームの士気が低下し、従業員のエンゲージメントも低下します。誰も自分が期待に応えられていないと感じたくありません。

対処法

もしチームが目標を達成できないことが多い場合は、チームメンバーと協力し、より達成可能な目標と期限を設定することを検討しましょう。

筆者の会社では、フィードバックフォームを使用してプロジェクトに対する意見を求め、従業員が失敗しないような設計にしています。

専門家は、目標を設定する際には組織の最近の実績を考慮することを推奨しています。

もしチームが最近重要な成果を上げたのであれば、大胆な目標に取り組む準備が整っているかもしれません。もしそうでない場合、チームは必要な経験、リソース、または自信がなく、自分たちの力量以上のことをやり遂げることができないかもしれません。

このような場合は、チームが大きな目標を追求するための耐久力とリソースを築くまで、小さな成功に焦点を当てることが重要です。

2. 「常にオン」状態 & 他人に強要する

「常にオン」のハッスルカルチャーは、パンデミック以前から職場で問題となっていました。残念ながら、近年ハッスルカルチャーはさらに悪化の一途をたどっています。

ほとんどの企業は、終業後の従業員への連絡に関する公式な方針を設けていません。期待されることが明確でない場合、従業員は自分の上司やリーダーに手がかりを求めます。

もしリーダーが「常にオン」であれば、従業員は同じことが彼らにも期待されていると考えるでしょう。当然のことながら、従業員は休止時間(ダウンタイム)を持たないと、生産性と創造性が低下します。

対処法

だからこそ、リーダーは「仕事が人生ではない」と示す手本を示さなければなりません

この手本を示すことは、休息をとったり、休暇や趣味のための時間を確保したり、同僚に自分のつながらない時間を伝えたりすることからはじまります

リーダー自身が自分の自由な時間を大切にしている様子を従業員が見れば、彼らの自由時間もリーダーは大切にしてくれると思うようになるでしょう。

緊急の問題を除いて、リーダーは業務時間外に従業員に連絡することを控えるべきです。業務外の連絡が必要な場合、リーダーは迅速な回答が期待されているかどうか従業員に明確に示しましょう。

従業員に、個人スマホを仕事用のメールアカウントと同期させることを要求するなどの方針を避け、従業員に企業の健康プログラムや運動プログラムを活用するよう奨励しましょう。

ダウンタイムはキャリアの成功に重要な要素です。ダウンタイムの重要性を強調することが鍵となります。

3. 空き時間がない

筆者が会社を率いてきた18年間で学んだことは、マネージャーに空き時間がないと、従業員は不安になるということです。

従業員は組織全体の目的を見失い、彼らの日々の仕事がより意味のないものに感じられるようになります。従業員はリーダーに空き時間がないことを、自分も希少な存在になれるサインと解釈するかもしれません。

結果として、チームのコラボレーションが損なわれる可能性があります。一部の従業員は何かがおかしいと疑うかもしれません。これは、従業員のエンゲージメントと有意義な生産性にとってのアキレス腱です。

対処法

リーダーシップの可視性は、企業文化を育み、コラボレーションとエンゲージメントを高めるのに極めて重要です。

戦略としては、集中力を要する業務に従事していないときにはオフィスのドアを開けておくこと、自動化されたカレンダーツールを使用して「オフィス時間」の時間をブロックすること(リモートワークの場合でも)、そして自分のスケジュールをチームと共有するなどがあげられます。

これにより、従業員には指定された時間帯に常にあなたにアプローチできるということが伝わるはずです

Psychology Todayで、アラン・ゴールドマン氏は、元サウスウエスト航空のCEOであるハーブ・ケラー氏は究極に“Availableなボスだったと論じています。

「歩き回ることで管理する」ケラーしは、荷物係からパイロットまで、あらゆる部門の従業員と交流し、従業員が自然につながり、より協力して働く雰囲気をつくり出しました。リーダーが身近な存在であると、コラボレーションの精神が組織全体に広がります


「リーダーとしての行動がすべての従業員に影響を与える」ことを忘れてしまうのは簡単です。

そのため、リーダーシップの危険信号を認識し、その芽を摘むことは、従業員が朝から夜まで働きすぎることなく最高の仕事ができるような、健全で活気のある職場づくりに不可欠といえるでしょう。

Source: Harvard Business Review, Psychology Today

Originally published by Fast Company [原文

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