学習するときは、戦略的に取り組みましょう

どれくらいの量をどれくらいの速さで学ぶか、学んだ内容をどれくらいしっかりと定着させるか。そしてもちろん、「いつまで覚えている必要があるのか」も大切です。

記憶を定着させるのにもっとも良い方法として、大抵は「分散学習(Distributed practice)」をすすめます。ただ、ときには、その逆の学習方法である「ブロック学習(blocked practice)」や「集中学習」が良い場合もあります。

「分散学習」と「集中学習」とは

「分散学習」は、同じ学習項目について、時間をあけて繰り返し復習する勉強法で、「間隔反復(spaced repetition)」とも呼ばれます。学習時間の間隔をあけることにより、情報をしっかりと定着させ、必要なときにそれを引き出しやすくします。

そのため、分散学習をするには、かなり先を見据えて計画を立てる必要があります。ある研究によると、もっとも効果的に記憶できる方法としておすすめなのは、同じ学習項目を、それを記憶していなければならない期間の10~30%ごとに復習するやり方だそうです。

たとえば、10日後にテストがあるなら、今からテストまでの間、1~3日ごとに復習するのです。

この方法と組み合わせてよく用いられるのが、異なる学習項目を混ぜ合わせて勉強する「インターリーブ学習」です。「インターリーブ学習」を取り入れると、情報を分類して問題解決に取り組む力が身につきます。

分散学習とインターリーブ学習を組み合わせると、毎日少しずつ学習することになりますが、こうした「小さな塊の情報」は、さまざまなテーマや概念に分かれており、学習者は頭をフル回転させることになります。

「ブロック学習」や「集中学習」はその反対で、一度に1つの学習項目を長時間学習します(つまり、「一夜漬け」の聞こえをよくしたもの)。

「インターリーブ学習」と組み合わせる余裕はほとんどなく、テストや大きなイベントが迫っているなど、少し負荷がかかった状態で行なわれるのが普通です。

研究者たちも、集中学習にもっとも適した定義は、「ほかの学習項目に切り替えることなく、同じ情報を繰り返し学ぶこと」としています。

分散学習と集中学習を使い分ける方法

一般的に、情報を記憶するには、時間をあけて繰り返し学ぶ「分散学習」が効果的とされていますが、特定の状況においては、集中学習にもメリットがあります。

たとえば、集中学習のほうが知識を速く身につけられます。その代わり、知識を長期間記憶したり、学習して何日も経ってから、新しい状況にその知識を当てはめたりすることには限界があります。

要するに、集中学習を選ぶと、速く学習できますが、身につけた情報を長く記憶しておくことはできないし、その情報は自分が学んだ特定のことにしか生かせないのです。

そうなると、集中学習が役に立つのは、「テストでA評価をとれれば良い」という場合か、「テストが直前に迫っている」という場合、あるいはその両方です。汎用的な知識を得る必要がないなら、集中学習でもまったく問題ありません。

集中学習の効果を最大限引き出すためには、「ポモドーロ勉強法」を使い、最低でも、集中して学習する時間は管理しやすく区切りましょう。25分勉強したら5分休憩してください。

時間を忘れないよう、ポモドーロ・タイマーを使えば、何分経ったか確認するためにスマホを見る必要がなくなります。

本番直前だろうと、テストが終わるまで覚えていれば良いという場合だろうと、集中学習をするなら、そのことだけに集中して取り組まなければなりません。

一方、長期的に見たときに、その学習内容が、授業や自己学習の中で繰り返し出てきたり、あるいは、より大きな枠で考えることを求められ、その知識を学習している状況以外にも当てはめたりしなければならないなら、できる限り分散学習を選びましょう

「スタディプランナー」(勉強のスケジュールを管理するツール)を使い、テストの日からさかのぼって、いつ勉強すべきかを考えましょう。

また、フラッシュカードを利用した「ライトナーシステム」を取り入れることもおすすめです。ライトナーシステムは、フラッシュカードを用いた分散的な学習方法で、学習内容を長期的に記憶するのに役立ちます。

スタディプランナーやフラッシュカードはちょっと古臭く思えるかもしれません。でも、キーボードを使わず手書きする方法も、記憶を助けてくれます。分散学習をしている場合、時間のゆとりはあることでしょう。

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Source: Sage Journals, National Library of Medicine