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2030年問題の内容と企業への影響、取るべき対策を詳しく解説

公開日2024/05/13 更新日2024/05/21

2030年問題の内容と企業への影響、取るべき対策を詳しく解説

「2030年問題」をご存じでしょうか。少子高齢化が問題視されて久しいですが、最近ではその問題に関連して、新たに2030年問題との言葉がキーワードとして注目されています。各企業にとって、日本社会の少子高齢化の問題は人材確保の課題に直結します。


対策を怠れば企業の存続自体が危うくなる恐れもあります。危機感をもって対処する必要があるでしょう。
そこで今回は2030年問題とは何か、詳しく解説します。

2030年問題とは

2030年問題とは、少子高齢化の急激な進展によって2030年に深刻化していると予測される問題の総称を指します。


すでに少子高齢化は、日本社会に大きな影をおとしています。総務省統計局によると、2023年9月15日時点における日本の高齢化率(全人口に占める65歳以上人口の割合)は、29.1%となっています。65歳は厚生年金の支給開始年齢であり、それ以上の年代はもはや労働人口とはみなされません。内閣府の『令和5年度高齢社会白書』によれば、2030年時点の高齢化率は30.8%であり、「3人に1人が高齢者」の状況が到来すると予測されています。これはそのまま、労働力人口の割合が低下していること、ひいては日本経済の中心的担い手が減っていることを意味します。


今後もどんどん進展していく少子高齢化ですが、2040年頃までは急速に進み続け、それ以降は緩やかに進んでいく、といった予測がされています。2030年は少子高齢化が急速に進んでいる最中の年であり、今よりもさらに社会全体で高齢化問題に取り組まざるを得ない状況にある年なのです。


少子高齢化への対策を怠れば、日本経済は労働力不足によって落ち込まざるを得ません。また社会保障費がますます増大し、現役世代の負担が増える一方となります。

2030年問題と2025年問題・2040年問題の影響

2030年問題は、「2030年になったから巨大な問題が起こる」といった性質のものではありません。2029年から2030年にかけて、急に社会に新たな問題が生じるわけではなく、それまで続いてきた少子高齢化の問題が、「2030年」という1つの節目を迎えるとの位置づけと言えます。


ただ、2030年を「問題」として節目以外に特徴付けるなら、以下の2点が挙げられます。


2025年問題の影響の深刻化

2025年問題とは、出生・人口数が突出して多い「団塊の世代(1947~1949年生まれ)」が75歳以上の後期高齢者になることで生じる社会的な課題を指します。75歳になると医療、介護など社会保障を必要とする人が増え、一方でその担い手である現役世代が減少していることから、そのギャップが問題視されているわけです。


ただ、2025年問題は、「2025年その年において急に問題が深刻化する」というより、2025年以降、とくに2030年頃からじわじわと影響が増大していくとも考えられます。なぜなら、実際に医療、介護への需要が急速に高まるのは80歳以降と考えられるためです。


公益財団法人生命保険文化センターの分析によると、各年代に占める要支援・要介護認定者の割合は、75~79歳では11.8%ですが、80~84歳になると26%にまで増加します。つまり80歳を超えると、一気に病気や怪我で医療、介護を必要とする人が急増するのです。


2025年問題の1つに、医療・介護人材の不足があります。高齢化が進み、要介護者が増える一方で、それを支える医療・介護分野で働く人が足りないとの問題です。しかし実際に要介護者が増えるのは80代からのため、団塊の世代においても医療・介護を必要とする人が急増するのは、2030年頃からとも予測されるわけです。


当然ながら社会保障費(医療費・介護費)の額も、2030年頃にはさらに巨額にならざるを得ません。それらの理由から、2025年問題の悪影響がおよぶのが2030年問題と言えるのです。


2040年問題への対策を本格化

2025年問題は団塊の世代に関連した問題でしたが、2040年問題はその子どもである「団塊ジュニア世代(1971~1974年生まれ)」に関わる問題です。


2040年になると団塊の世代の次に出生・人口数が集中している団塊ジュニア世代が65歳を迎えるので、労働力不足の深刻化に拍車がかかります。それが2040年問題といわれています。


2030年はこの2040年問題が起こる10年前であり、団塊ジュニア世代が55~59歳となる年代で、一般的には定年間際の時期です。法制度に基づき70歳まで雇用をするとしても、60~65歳以降は後進の指導やサポート分野の業務がメインとなるでしょう。


この点を踏まえると、企業組織の中核を担う人材を不足なく確保するには、団塊ジュニアが65歳を迎える2040年頃に慌てて対策をしても遅いです。少なくとも2030年頃から、将来を見据えて人材を確保し、経営トップ・管理者層を担える人材を育てていく明確な人事戦略を構築しておくことが必要です。


つまり企業など法人組織においては「団塊ジュニア世代を抜きにした企業経営」を実現するための対策を迫られるのが、2030年問題であるといえるわけです。

2030年問題で企業が受ける影響とその対策とは

少子高齢化の進展によりとくに人手不足が深刻化すると懸念されているのは、介護業界、航空業界、観光業界、IT業界、建設業界などです。2030年問題として人材不足の問題に直面しやすい業界でもあり、人材確保策を早い段階から構築していくことが求められます。
企業が取るべき2030年問題への対策としては、以下の点が挙げられます。


働きやすい環境を整備

現在でもテレワークやフレックスタイム制などの導入が各企業でも進められていますが、人手確保を進めるためには、就労において柔軟なスケジュール調整ができることは重要です。とくに育児・介護によって出勤が難しい従業員にとって、仕事とプライベートの両立ができるかどうかが、職場選びの基準にもなります。家庭内での家事分担の価値観が広まっている現在、女性の人材はもちろん男性の人材を確保する上でも、この点は重要です。


また福利厚生面を充実させ、人間関係・職場環境を良好に維持できる工夫も求められます。働く上での満足度を高められれば離職率が減り、人材確保が容易になります。


リスキリングなど従業員の能力開発

企業が労働力不足を補う方法の1つとして、各従業員のスキル・能力を高め、生産性を向上させることが挙げられます。これにより従業員に柔軟な配置転換ができ、新たな職種を任せることも可能です。


DX推進による業務効率化

企業におけるDXとは、それまでのアナログ業務をデジタル化することで、業務の生産性を向上させることです。ペーパーレス化がその典型例です。


デジタル化によって業務時間を大幅に減らすことができ、人為ミスも減ります。またルーティン作業の効率をアップさせることで、その分、各従業員はより付加価値の高い仕事に取り組む時間を増やせます。

まとめ

少子高齢化による人材不足の問題は、日本企業にとって2024年現在においても深刻です。しかし今が深刻度のピークではないことは自覚する必要があるでしょう。「2030年問題」を意識することは、人手を着実に確保していくための施策を、真剣に考えるきっかけとなります。とくに経営層・管理者層は、将来的に自社を存続・発展させていくためにも、少子高齢化への対策を早めに検討していくことが求められます。


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