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2024年冬ドラマ「コア視聴率」BEST10。二階堂ふみ主演作は7位、クドカン脚本は2位

 冬ドラマの序盤が終わった。どのドラマがよく観られているのだろう? 13歳から49歳の個人視聴率の「コア視聴率」を見てみたい。民放が重視する数字だ。また、年齢を問わない全体値の「個人全体視聴率」も付記する(1月22~28日ビデオリサーチ調べ、関東地区)。

武装集団が空港を舞台にバトル

新空港占拠

「新空港占拠」公式ホームページより

 1位は日本テレビ『新空港占拠』(土曜午後10時、同20日の第3回)の3・6%個人全体は4・2%で5位だ。  コアが高いのは10代を中心とする若者の圧倒的支持があるため。10代のテレビ離れは進む一方だが、このドラマはよく見られている。  櫻井翔(42)が演じる主人公の武蔵三郎刑事と動物の面を被った武装集団と新空港を舞台にバトルを繰り広げる。シニア層からすると、荒唐無稽な物語だが、若者とはドラマの好みが違う。  ストーリーのテンポが早く、映像にも迫力がある。カット数が多いのも理由だ。一例は武蔵のアップから空港の全体像に変わったら2カット。通常のドラマは計350~400カット程度だが、このドラマは450カット程度あるだろう。カット数が多いほど映像の迫力は増す。一部ビデオシネマのようにカット数が少ないと、安っぽい映像に見える。実際、制作費が少ないと、カット数は少なくなる。

中年世代も楽しいクドカン脚本

さよならマエストロ

「さよならマエストロ」公式ホームページより

 コアの2位はTBS『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート』(日曜午後9時、同28日放送の第3回)の3・1%だ。個人全体は6・8%で1位である。  西島秀俊(52)が演じる指揮者と芦田愛菜(19)が扮するその娘の断絶と和解の物語だが、重さや暗さはなく、ハートフルな内容。このためか幅広い世代に観られている。  コアの同率2位は同じTBSの『不適切にもほどがある』(金曜午後10時、同26日放送の第1回)の3・1%個人全体は4・4%で3位だ。1980年代と現在の文化や社会環境のギャップを楽しむドラマであるため、49歳以下より50代以上に観られている。
不適切にもほどがある

「不適切にもほどがある」公式ホームページより

 脚本を書いている宮藤官九郎(53)も50代。無理に若者にも分かってもらおうとしていない姿勢が小気味良い。「コア視聴率は理解するのが難しい」という声もあるが、そんなことはない。3・1%なら、13歳から49歳の100人に3・1人が観ていることになる。個人全体も同じ。4・4%なら、全世代の100人に4・4%が観ている。  テレビ界は約4年前から旧基準の世帯視聴率を使っていない。世帯視聴率は逆に分かりにくいのである。その番組を観ていた家の数しか数えていないから、合計で何人が観たのかが不明なのだ。観ていた人の世代ももちろん分からない。  池上彰氏(73)が「いま各テレビ局は、世帯視聴率は問題にしていないんです」(東洋経済オンライン、2022年6月3日)と書いてから1年半が過ぎた。そろそろテレビ界以外も個人視聴率が主流になり、世帯視聴率は消えていくはずだ。
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医師並みの看護助手が奮闘
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