シーサーが結んだ縁 北中城村の団体が沖縄市の公園に寄贈 14体が住民を見守る

シーサー贈呈式に参加した南桃原区民と北中城村シーサーで景観を作る会メンバー=3日、沖縄市・南桃原公民館公園

 【沖縄】北中城村シーサーで景観を作る会(花崎為継会長)は3日、沖縄市の南桃原公民館公園にシーサー14体を贈った。同会の会員10人と南桃原区の青年会、老人クラブ、子どもたちが贈呈式と入魂式に参加し、区民の憩いの場を守るシーサーに期待の気持ちを込めた。(翁長良勝通信員)

 南桃原区では、島袋由香自治会長を中心に2021年4月に区民や老人クラブ、青年会、学童クラブ、南桃原ちょう愛好家などが公民館に隣接する公園の草刈りを行い、アジサイや時季の草花、ホウライカガミなどを植えて遊歩道も整備した。

 その際、「公園に守り神のシーサーがあるといいが、予算がない」という声が上がり、人づてに北中城村安谷屋在住の陶芸家山内米一さんに声が届いた。山内さんが「景観を作る会」会員にも寄贈を募った。

 同会は陶芸による地域づくりを目指し、13年に発足した。会員は50~80代のプロ・アマ12人。作ったシーサーは県道沿いなど村内6カ所と中城村北上原に鎮座している。今回のシーサー群は会員10人が製作した高さ約30~40センチの12体が公園の遊歩道沿いにあり、山内さんの「あうん」一対のシーサー(高さ約60センチ)は公園入り口の左右に配置された。

 当日都合で出席できなかった島袋会長に代わり、南桃原の山内盛宏老人クラブ会長があいさつ。「公園のシーサーが景観と地域住民の安全・安心を守ることに感無量」と感謝し、神酒と果物を供え入魂を行った。

 約1カ月かけて台座を作った浜元盛栄さんらは「山内さんも毎回台座作りに参加してくれた。木々の下でのシーサーが一段と映えている」と喜びを語った。

 同会の花崎会長は「南桃原地域と公園の環境は素晴らしい。私たちの活動がほかの地域まで広がりうれしい」とシーサーが結んだ縁を喜んだ。

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