地元密着で地域経済を支えてきた栢森久さん=鹿島市高津原の自宅

 佐賀西信用組合の理事長を長く務め、昨年6月に代表理事会長の職を引いた。地域経済への貢献が認められての受章に、「金融機関としての礎を築いてくれた先輩たち、そして地域の皆さんのおかげ。自分一人の力ではない」と語る。

 1975年に入組。太良町大浦地区のタイラギの不漁、有田窯業界の販売不振など景気の浮き沈みに直面しながら、融資先を元気にしたいと走り回った。

 始まったばかりの「鹿島酒蔵ツーリズム」ではボランティアが足りないと聞き、職員80人と駆け付けた。「地元金融機関として何ができるか。お金の面以外にもできることはある」。地域密着の存在意義を強調する。鹿島市高津原。(市原康史)