クランクアップを祝う主演の伊原剛志さん(左)や鈴木一美監督(中央)ら=佐賀市川副町

主演の伊原剛志さん(手前)から花束をもらう川崎瑠奈さん=佐賀市川副町

ピアノを弾く伊原剛志さん=佐賀市川副町

 佐賀を舞台とする映画「ら・かんぱねら」の撮影が12日、終了した。佐賀市川副町のノリ小屋でクランクアップし、主演の伊原剛志さんや同市出身の俳優の川崎瑠奈さんがスタッフから拍手を浴びながら花束を受け取った。

 同映画は3月17日に撮影が始まり、佐賀県内各地で約1カ月間にわたって行われた。ノリ漁の支柱立てなどのシーンは、養殖ノリの漁期に合わせて昨年9月末から先行して有明海で撮影してきた。参加したエキストラは約300人に上り、支援する会などのボランティアスタッフには約100人が関わった。

 最終日の前日の11日から伊原さんのピアノの演奏シーンを中心に撮影が行われた。クランクアップの前には伊原さんがスタッフらにオリジナルの手拭いをプレゼントしたという。

 撮影を終えて伊原さんは「演奏はやればやるほど難しかった。多くの方々に助けられて役ができた」と振り返りつつ、「佐賀最高、川副最高」と締めくくった。鈴木一美監督は「地域の人と共に映画作りができて感謝している。親子3代が一緒に見られるような作品にしたい」と話した。

 同映画は、52歳で一念発起してピアノを始めた佐賀市のノリ漁師の徳永義昭さんがモデル。人生を懸けた中年男の挑戦を支えた家族の愛や、仲間との絆を描く。今年の秋から冬にかけて県内で先行上映した後、全国で公開する予定。(坂本有佐)