「鯉(こい)料理セット」では氷の下に敷きつめられた「鯉のあらい」と濃いめの味噌汁「鯉こく」が楽しめる

 小城市小城町松尾の名所清水の滝の傍らに、明治から続くコイ料理のお店「清水屋」がある。

 看板メニューは「鯉(こい)料理セット」(2300円)。刺し身を冷水にさらして身を引き締めた「鯉のあらい」や、白飯に合うようこだわった濃い味付けのみそ汁「鯉こく」などを楽しめる。

 使用するコイはいけすの中で養殖し、約2週間えさを絶って徹底的に臭みを消す。コイが苦手な人向けに、ウナギ(1800円)やアユの塩焼き(800円)、赤鳥の炭火焼き(750円)なども用意している。

 清水屋と周辺のコイ料理店6店舗で作られる県小城市清水鯉料理振興会(代表・江口満久清水屋店主)では、2月に寒鯉(かんごい)まつりを行い、よりあぶらがのって引き締まったコイと、期間限定の各店舗オリジナル料理を楽しむことができる。

 コイ料理は古くから、母乳を出やすくする、酒に疲れた肝臓を癒やすなど、滋養強壮に良いとされてきた。熊本県出身の店主・江口満久さんは、初めて食べたとき感動したといい「小城にはこんなにおいしいものがあると知ってほしい」と話す。(上田遊知)