江藤新平の功績を紹介する佐賀城本丸歴史館の藤井祐介学芸担当係長=佐賀市のホテルニューオータニ佐賀

 大手企業の県内支社長や支店長らでつくる「ブランチ佐賀さかえ会」(座長・中尾清一郎佐賀新聞社社長)の例会が24日、佐賀市のホテルニューオータニ佐賀で開かれた。佐賀城本丸歴史館学芸担当係長の藤井祐介さんが、没後150年を迎えた江藤新平の功績を紹介した。

 江藤は初代司法卿として近代的な司法制度を導入するなど明治新政府で活躍したが、佐賀の乱(佐賀戦争)で非業の死を遂げた。講演では、江藤が全ての国民が民権を有することを規定した民法や、憲法に相当する国法の編さんに着手したこと、現在の義務教育につながる国民皆教育を導入したことを解説した。

 藤井さんは「江藤には先見の明があり、常に『人民のため』という気持ちが根底にあった」とし、「佐賀の乱のイメージが強い江藤を、日本の礎を築くためにさまざまな改革を成し遂げた人物として再認識してほしい」と話した。

 同歴史館は5月12日まで、特別展「江藤新平~日本の礎を築いた若き稀才の真に迫る」を開いている。(坂本有佐)