日高大助防災安全課長(右)にオンラインで集めた署名を添えた要望書を提出する石丸初美さん=玄海町役場

 原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査の受け入れ可否を検討している玄海町の脇山伸太郎町長に対し、佐賀県内の反原発を訴える市民団体は2日、調査を受け入れないよう求めた要望書について、全国から集めた1万582筆(暫定)の署名を添えて町に提出した。

 署名は「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」などが集めた。町議会が4月26日に町内3団体から提出された調査受け入れを求める請願を採択したことを受け、翌27日からインターネットなどで「(原発がある)地元住民に核のごみの負担まで押しつけるのはあまりに理不尽」などと呼びかけた。全国で初めて文献調査が実施された北海道からも署名があったという。署名は6日ごろまで継続する。

 町防災安全課の日高大助課長に、署名と要望書を手渡した同会の石丸初美代表(72)=佐賀市=は「(最終処分場は)玄海町だけの問題ではない。町長は軽々に判断しないでほしい」と訴えた。

 また、受け入れに反対する有志が4月28日から5月1日まで、町民を対象に電話調査を実施したことも報告。実施団体によると、「最終処分場を町に作ることをどう思うか」について、回答者114人のうち反対83人(72・8%)、賛成3人(2・6%)、わからない28人(24・6%)だった。(松岡蒼大)