「今の憲法は危機管理に全く対応していない」と語った濱口和久・拓殖大特任教授=佐賀市のメートプラザ佐賀

 日本国憲法施行から77年目となる憲法記念日の3日、佐賀県内で改憲と護憲を唱える団体が、それぞれ講演会を開いた。改憲派は「憲法に自衛隊の位置付けの明記を」と訴え、護憲派は「軍拡、戦争では安全は守られない」と強調した。

 改憲を目指す「憲法改正県民大会実行委員会」と日本会議佐賀は、佐賀市のメートプラザ佐賀で講演会を開いた。拓殖大の濱口和久特任教授が、災害などの緊急時や有事に対応できる社会の構築に向けて改憲の必要性を強調した。約200人が参加した。

 濱口氏は、自衛隊について「災害時の非常呼集で休暇の予定を変更して駐屯地に戻る場合、旅費は支給されない。災害派遣の特殊勤務手当額も低い」と処遇改善が必要とした。第一の任務は国防であるとし「憲法に自衛隊の位置付けを明記すべき」と訴えた。

 大規模災害や武力攻撃の発生時に政府の権限を一時的に強化し、国会議員の任期を延長できるようにする「緊急事態条項」の新設に関し、「大多数を守るために必要で、世界では憲法への明記が常識」とした。その上で「憲法では対応する条文に参院の緊急集会があるが、巨大地震などで集まれない事態を想定していない。それをカバーする体制をつくるべき」と強調した。(古賀真理子)