アバター参加で抵抗感少ない、リアル対面も和気あいあい 「メタバース婚活」2組が真剣交際継続 全国初実施の出雲市が事例報告

メタバース婚活の有効性を語る飯塚俊之市長(左から2人目)=出雲市平田町、平田本陣記念館

 インターネット上の仮想空間を活用した「メタバース婚活」のシンポジウムが17日、オンラインで開かれた。昨年夏、仮想空間(メタバース)と市内での現実空間を組み合わせた全国初のイベントを実施した出雲市の飯塚俊之市長らが、少子化対策としての有効性を考えた。

 一般社団法人メタバース婚活協会(東京都)が主催し、約150人が視聴した。昨年7、8月に実施した婚活イベントは、県内外から参加した男女18人のうち6組のカップルが成立し、現在も2組が真剣交際を継続中という。

 事例を報告した市縁結び定住課の岡敬一郎係長は、全国各地から参加でき、分身(アバター)を通じたやりとりで参加に抵抗感が少ないメリットを指摘。実際の外見が分からず、アバター同士が交流するため「相手の内面を見つめることができる最適なツールだ」とした。

 意見交換で飯塚市長は、メタバース上での開催後、実際に対面して市内で開いたイベントの様子に触れ「初対面にもかかわらず、非常に和気あいあいとしていた」と振り返った。協会の高須美谷子代表理事は「参加者が自然体で会話ができ、誰もが結婚できる世界を実現できる」と強調した。

 市は2024年度、7、12月の計2回開催する予定。7月は市内在住や在勤、市への移住に関心がある独身男女が対象で、5月20日~6月20日に参加者を募集する。参加費千円。問い合わせは同協会、電話03(6427)4088。

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