イーロン・マスク氏だと信じた70代常連客の投資詐欺被害防ぐ コンビニ店長と店員に感謝状 島根県大田市

感謝状を手にする寺本俊介店長(左)と小谷圭人さん=大田市長久町、大田署

 米国の実業家イーロン・マスク氏を装ったSNS型の投資詐欺を防いだとして、大田署が22日、ローソン大田長久店(大田市長久町)の寺本俊介店長(40)と店員の小谷圭人さん(20)に感謝状を贈った。

 2人は4月15日夜、70代男性の常連客が20万円分の電子マネーカードを購入。SNSでやりとりする人物にカードの利用番号を伝えようとしたところ、声をかけて被害を防いだ。

 男性は「X」(旧ツイッター)に英語の文面で、マスク氏を名乗る人物からメッセージが届いた。その後、通信アプリ「LINE」でやりとりする中で投資話を持ちかけられ、電子マネーの購入を指示されたという。

 高額な電子マネーカードの購入を不審に思い、事情を聞いた寺本店長と小谷さんが詐欺だと気づき男性を説得した。男性は「有名な人だから大丈夫」と信じ切っていて、大田署に通報して被害を防いだ。

 大田署で吾郷弘章署長から感謝状を受け取った寺本店長は「僕らだけでは説得が難しいほど信じていた。今後も詐欺の被害防止に努めたい」と話した。

 島根県内でSNS型投資詐欺と恋愛感情を悪用したロマンス詐欺は15日現在、計2億6千万円(15件)の被害が確認され、昨年の被害額を上回っている。

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