気合一発、熱湯浴びて安全祈る 日光の清滝神社で「湯立て神事」 全国的にも珍しい荒行

熱湯を浴びて地域の安全を祈願した「湯立て神事」=15日午前11時50分、日光市清滝1丁目

 煮えたぎる熱湯に浸したクマザサの束を振り上げ、熱湯を浴びて地域の安全を祈る「湯立て神事」が15日、栃木県日光市清滝1丁目の清滝神社で行われた。

 同神社は820年、弘法大師空海(くうかい)によって創建されたと伝えられる。神事は創建当初から続く伝統の荒行で、全国的にも珍しい神事という。地域住民の延命長寿や厄よけ開運を祈願する。

 カメラを手にした人たちが見守る中、白衣白袴(はくいはっこ)に麻のたすき、鉢巻き姿の篠田薫(しのだかおる)禰宜(ねぎ)(58)が荒行に臨んだ。釜の湯に塩を入れて清めた後、「やっ」という気合とともに両手に持ったクマザサを一気に頭上へ振り上げ、しぶきを浴びた。

 観衆から拍手を送られた篠田さんは「子どもたちの健やかな笑い声が響くまちになるよう、願いを込めた」と話した。

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