1歳長女と共に高齢女性保護 大田原の菅野さんに感謝状 行方不明メール確認し気付く

仲山署長(右)から感謝状を受け取った菅野さん(中央)

 【大田原】行方不明になっていた80代の女性に声をかけ、事故を未然に防いだとして、大田原署はこのほど、若草2丁目、那須塩原市職員菅野夢舞(すがのゆま)さん(26)に感謝状を贈った。現在育休中で育休前は高齢福祉課に勤務していた菅野さんは、同課での経験を生かし適切に対応した。

 菅野さんは4月17日午後、市内の公園で長女と友人の3人で遊んだ後、車で友人を家まで送った帰りに道路脇で倒れ込む女性を発見。認知症の可能性を感じ、車を止めて、行方不明者情報を配信した市の「よいちメール」を確認したところ、「パーマ頭」「黒色の運動靴」などの特徴が一致していた。

 女性の警戒心を解く意味を込めて、あえて車に同乗していた1歳の長女を抱っこしたまま近づき、「転んでいましたが大丈夫ですか」などと声をかけ、110番。警察官が到着するまで世間話をして寄り添った。高齢女性は同日午前、中央1丁目の複合施設「トコトコ大田原」で行方不明になっていたことが分かった。

 菅野さんは育休前、介護認定の業務をしており、認知症の特徴を学んでいた。「大人の私だけだったら警戒されたかもしれないが、娘も一緒にいてくれた。無事で良かった」と話した。

 保護された場所は、行方不明場所から約4キロ離れた国道沿い。仲山博隆(なかやまひろたか)署長は「無事に家族に引き渡すことができた。本当に感謝している」と話した。

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