火渡り、無心に勢いよく 宇都宮の多気不動尊で恒例の祭り

勢いよく火渡りを行う伊東住職

 【宇都宮】多気不動尊の名で親しまれる多気山持宝院(田下町)の裏参道山麓道場で19日、恒例の「大火渡り祭」が行われた。護摩たき後の残り火の上を修験者がはだしで歩き、無病息災などを祈った。

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 5月の不動縁日にちなんで2008年から続けている祭事。同院に伝わる京都の醍醐寺由来の法灯で護摩木や古札などを野外で燃やし、修行として残り火の上を歩く。

 伊東永人(いとうえいじん)住職をはじめ、関東など全国から集まった約30人の修験者がほら貝の音を響かせながら、おのや弓矢、刀を振りかざして煩悩を断絶し、ヒノキの葉などを積み上げた護摩壇に点火。火渡りの道を作り、伊東住職ら修験者が勢いよく渡った。

 参拝者らも後に続き、高根沢町上高根沢の久保(くぼ)セツ子(こ)さん(81)は「今年は熱く感じなかった。この1年健康に過ごしたからかもしれない。来年まで頑張りたい」と話していた。

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