那須雪崩、残る1遺族に7200万円賠償 栃木県が議案提出方針 全遺族への賠償終結へ

栃木県庁

 栃木県那須町で2017年3月、登山講習会中に大田原高の生徒7人と教諭1人が死亡した雪崩事故を巡り、県は20日、1遺族に約7200万円を支払う損害賠償額の決定と和解に関する議案を、28日開会の県議会6月通常会議に提出する方針を明らかにした。今回の議案が可決されれば、全ての遺族への賠償が終結することになる。

 那須雪崩事故は、日本スポーツ振興センターの災害共済給付制度の対象。県は2024年度一般会計6月補正予算案に、給付金を除いた約4400万円を盛り込んだ。

 那須雪崩事故を巡っては、5遺族が民事訴訟を起こし、県と県高校体育連盟(県高体連)に計約2億9千万円の賠償を命じる宇都宮地裁判決が確定。他の2遺族については民事裁判外で示談が成立し、これまで県は7遺族に賠償金を支払っていた。今回は残る1遺族に関する議案という。

 一方、業務上過失致死傷罪に問われた男性教諭ら3人の刑事裁判は2月に結審した。判決は5月30日、宇都宮地裁で言い渡される。 

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