新生児期の双子育児 一番大変な沐浴&授乳のお世話のコツ!【専門家】
双子の新生児期。赤ちゃん2人のお世話はとっても大変! 中でも沐浴や授乳のしかたで悩む人は多いようです。そこで、ツインクラスを開催している東京かつしか赤十字母子医療センターの助産師、宮村好美さんに双子の沐浴・授乳のコツを聞きました。
沐浴は、時間帯にこだわらず、人手のあるときに
慣れない育児が2人分なのですから、頼れるものは頼りましょう。とくに沐浴は、家族と連携して行ったほうが絶対ラクです。沐浴の時間帯は、いつでも大丈夫。パパの帰宅を待って、夜に沐浴してもいいんです。ただし、寒い季節は風邪をひかないように、寒さ対策は十分にしましょう。
シャワー浴という方法もあり
全身に泡立てた石けんをつけて洗い、シャワーでしっかり泡を洗い流す「シャワー浴」という方法もあります。従来の沐浴に比べ、ベビーバスにたくさんお湯をはる手間が省け、さらに、皮膚トラブルを防ぐ効果も期待できます。体が冷えないように、浴室など、赤ちゃんを洗う場所を暖めた状態にして行いましょう。
ガーゼを使わなくてもOK
赤ちゃんの体は、泡立てた石けんをつけたママやパパの手でやさしく洗ってあげましょう。必ずしも、ガーゼや沐浴布は必要ありません。むしろ、手だけで洗ったほうが、赤ちゃんの皮膚への刺激を減らすことができます。沐浴のやり方をできるだけシンプルにして、ママやパパの負担を軽くしましょう。
1人授乳に慣れてから、2人同時授乳を試して
双子は小さく生まれることが多いので、赤ちゃんの吸いつく力が弱いなどの理由で、なかなか授乳がうまくいかないことも…。産後しばらくは、「授乳のコツをつかむこと」を第一に考えて、安全に行うことが大切です。2人同時授乳は、赤ちゃん1人ずつの授乳に慣れてから試してみましょう。
双子の授乳タイムをそろえるとラク
どちらか1人の赤ちゃんが泣いて授乳する場合、もう1人の赤ちゃんは寝ていたとしても、起こして授乳するのがおすすめです。授乳のタイミングが双子でバラバラだと、ママの睡眠時間はどんどん削られてしまいます。おむつ替えも授乳も、2人同じタイミングで行いましょう。
授乳がたりているか不安なときは…
赤ちゃんが2人だと、どちらがどれだけ飲んでいるか、わからなくなることも…。メモや育児用アプリなどを使って、飲んだ量と排泄(おしっこ・うんち)を記録しておくことは大切です。
2~3時間おきくらいに授乳はしているけれど、たりているのか不安なときは、以下の項目をチェックしてみましょう。
●おしっこやうんちの回数・量
入院時と同じくらいなら大丈夫。もし回数が減った場合でも、1回量が増えていれば問題ないでしょう。
●授乳後の様子
毎日、授乳後にぐずっているのであれば、たりない可能性が。
●見た目の変化
ほっぺが、ふっくらしてきていれば大丈夫。
子育て支援や双子親のネットワークも活用して
沐浴・授乳に限らず、双子育児の最大のコツは、家族や自治体の子育て支援など、頼れるものは頼ること。ベビーシッター利用の助成制度などがある自治体もあります。また、同じ双子を育てる親仲間の存在も重要です。先輩ママ&パパたちからのアドバイスや情報は、双子育児に大きく役立ちます。出産した産院やSNSなどを利用して仲間づくりをしましょう。
監修:宮村好美さん 文・栗本和佳子、たまごクラブ編集部
沐浴も授乳も、ママが休息をとれるように、できるだけ負担を軽減できるやり方を見つけることが大事です。頼れるものは頼りながら、双子育児を乗りきりましょう。『たまごクラブ』2021年11月号「ふたごCLUB」では、先輩ママたちの育児体験談も掲載しています!
参考/『たまごクラブ』2021年11月号「ふたごCLUB」
※掲載している情報は2021年10月現在のものです。
宮村好美さん
PROFILE
東京かつしか赤十字母子医療センター助産師。ツインクラスを担当