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健康診断は受けた後が大切!家族で生活習慣を見直すチャンス

肥満や糖尿病などの生活習慣病は心臓の病気につながる可能性があるため、対策が重要な課題になっています。生活習慣病の発症を予防するためには、家族ぐるみで健康への意識を高め、子どもの頃から規則正しい生活習慣を身につける必要があります。そこで六車美紅さんと紅杏さん親子が、子どものうちから生活習慣病を防ぐヒントを、香川大学医学部の南野哲男教授に教えてもらいました。

※こちらの掲載情報は月刊ナイスタウン2024年6月号時点のものになります。

 

六車美紅(むぐるま みく)さん、紅杏(あかね)さん

休日には家族や友人と釣りやキャンプに行くのが趣味という仲良し親子。将来にわたって健康でありたいと野菜を多くとる食事や運動を心掛けています。

 

香川大学医学部  循環器・腎臓・脳卒中内科学教授 南野 哲男(みなみの てつお)先生

小学生になれば、子ども自身が生活習慣の重要性を理解できるようになります。健診は、家族ぐるみで生活習慣の見直しを行う絶好のチャンスです。ぜひ活用して家族で健康寿命を延ばしましょう。

 

 


 

健康診断は自覚症状のあらわれにくい生活習慣病を発見することができる重要な機会

「子どもだから大丈夫」ではなく、脂質異常症、高血圧、糖尿病などの生活習慣病は、誰もがかかる可能性のある病気です。これらは日々の食事や生活習慣の乱れから起こります。年齢や性別に関係なく、野菜不足や炭水化物の過剰摂取、運動不足など現代の生活における複合的な要因が影響しているといわれています。

 

生活習慣病は、初期にはほとんど自覚症状が現れないため、気が付いたときには合併症により病状が進行している場合も少なくありません。なかでも命に関わる大きな問題となるのが、脳の病気や心臓の病気です。こうした病気にならないためには、自覚症状の有無に関わらず、定期的に健診を受け、病気の予防に努めることが健康寿命を延ばす一番のポイントです。「調子が悪いから受診する」のではなく、一年に一度、定期的に健診を受けて、その結果をしっかりと把握し、自分の健康に役立てましょう。

 

 

小児生活習慣病予防健診を活用し、早期発見・改善につなげる

みなさんは「小児生活習慣病予防健診」をご存知でしょうか。香川県では、将来の生活習慣病の発症を防ぐため、子どものころから健康に気を配っていただこうと、小学4年生と中学1年生(の一部)を対象に、各市町が主催し、学校医が協力して実施しています。健診で行われる血液検査の結果をもとに、異常値が出た場合は、養護教諭らが子どもやその保護者などに対して、生活習慣の改善に向けた的確な指導を行っています。

 

心臓の病気の原因を早期に発見し、病気の診断にも有効

例えば、日本では200~500人に1人の割合(※1)で、生まれつきコレステロールが高い方がいます。これは「家族性高コレステロール血症」といわれるもので、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が血液の中で高くなるので動脈硬化が進み、血管が細くなったり、詰まったりする病気です。放置しておくと将来、心臓の病気にかかりやすいということが分かっています。10歳の頃から健診を受けることで、早期に病気の原因を見つけることができ、心臓や脳の病気にかかるリスクを減らせるとともに、健康への意識向上のきっかけにもなります。

※1:日本動脈硬化学会 家族性高コレステロール血症診療ガイドライン2022

 

 

健診結果を機に親子で健康について考えよう

学校で健診する目的は2つあります。1つ目は健診を通じて、自分の健康に対する関心を持つきっかけを作ること。そしてその健診結果をもとに、親子で健康について話をすること。これこそが健康教育の機会になります。2つ目は、重大な病気の原因となる生活習慣病が早期発見されることです。大半の子どもは、学校の健診で検査を受けますが、成人の場合はどうでしょう。生活習慣病の予防のために行う特定健診の受診率は、香川県で5~6割程度というのが現状です。

 

六車美紅さんは、「職場で年に一度、定期健診を受けています。その検査結果が自宅に届き、要再検査と書かれていました。しかし、検査項目の内容だけではどの科を受診すればよいのか分からず医療従事者である家族に相談。その後、専門医に診てもらうことができ現在治療中です。早くに分かって安心しています」と笑顔。今回の健診結果をきっかけに、バランスの良い食事を取ることや通勤や通学以外にも運動量を増やすことを心掛け、自身の健康だけでなく、親子で考える良い機会になったそうです。

 

 

総合評価を踏まえかかりつけ医を持とう

健診結果は、多くの場合、検査項目を総合的にまとめた「総合評価」で表されます。評価が悪かったり、数値に異常があれば放置せず、生活習慣の改善や適切な薬の治療によって進行を食い止めたり改善させたりすることができるので、早めに医師へ相談をしましょう。日頃から相談しやすい「かかりつけ医」を持つと安心ですね。

 

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健診と教育の両輪で生活習慣病リスクを軽減

小児生活習慣病予防健診(血液検査)は、小学4年生と中学1年生(の一部)を対象に、年齢に合わせた健診プログラムを実施。健康診断に血液検査を導入したことで、心臓の病気に関わる危険因子として、糖尿病などの生活習慣病があることを認知することが可能になりました。生活習慣病リスクの高い子どもの早期発見につなげるため、2012年からは検査データを収集し、全県に健診を拡大するための補助事業もスタートしています。また、香川県、香川大学、ノバルティスファーマ株式会社の産官学が連携し、生活習慣病について分かりやすく解説した教科書も配布しています。

 

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