「出没!アド街ック天国」の司会などを担当したテレビ東京の須黒清華アナウンサー(39)が6月に退社することが明らかになり、テレ東が揺れている。同局では局アナの退社が相次ぎ、ここ4年でその数は11人(退社済み8人、退社見込み3人)。一時は上層部が焦って「待ってほしい」とストップをかけたほどだが、同局で人材流出が続く背景は――。

 須黒アナは6月に退社し、7月以降はフリーに転じると報じられた。

「さーや(須黒アナの愛称)、お前もか…」

 テレ東局員によると、局内はユリウス・カエサルの名ゼリフをもじり、須黒アナの退社に驚いている。「ここ数年で10人超えいます」と苦笑いする局員もいた。

 テレ東では2020年以降、8人が退社し、来月以降に須黒アナを含め3人が退社見込みだ(異動は含まず)。

 退社時期はそれぞれ以下の通り。20年3月=鷲見玲奈、田口尚平、同年12月=森田京之介、21年5月=森本智子、翌6月=秋元玲奈、22年7月=原田修佑、昨年3月=森香澄、同年6月=野沢春日。他には福田典子アナが今年3月に、松丸友紀アナが6月にそれぞれ退社すると報じられた。同局は須黒、福田、松丸の3人のアナの去就について明言していない。

 テレ東局員の話。

「局アナの退社が相次ぎ、一時は上層部が焦って『待ってほしい』とストップをかけたこともありました。退社を見直してほしいという意味ではなく、他のアナと退社時期が重なって社内が混乱するから、ずらしてくれないかという意味です」

退社が決まっているテレビ東京の福田典子アナ(左)と松丸友紀アナ
退社が決まっているテレビ東京の福田典子アナ(左)と松丸友紀アナ

 なぜこんなに退社が相次いでいるのか。人材流出が続く背景には、世間的にも終身雇用が見直され、転職が当たり前になっている波がテレ東に押し寄せてきていることもあるだろう。

 もう一つ、テレ東ならではといえる背景は、スタートアップ企業への転職だ。日本はアメリカに比べて起業マインドが低く、岸田政権は目玉政策の一つとしてスタートアップ育成5か年計画を推進している。

 テレ東は経済報道番組「WBS(ワールドビジネスサテライト)」に代表されるように経済に力を入れている。

「他局に比べ(テレ東の)局員は実業家や起業家と接する機会が多いと思います」(前出局員)

 その流れからか、元アナの原田氏は教育系のスタートアップ企業に転職し、昨年8月に育児支援系の企業を設立した。福田アナもスタートアップ企業への転職を報じられた。

 流出が続く局アナの穴を埋めるべく、昨年4月には3人の新人アナが入社した。

 独自路線を行くテレ東も正念場だ。