ボクシング興行として34年ぶりに行われる5月6日の東京ドーム大会における〝意外な試合順〟の理由とは――。

 この興行では、スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(30=大橋)とWBC同級1位ルイス・ネリ(メキシコ)の防衛戦がメインで行われる。このカード以外にも3つの世界戦が行われ、それぞれ大橋ジム所属選手が出場する。井上の弟でWBAバンタム級王者の拓真(28)が2度目の防衛戦に臨み、WBO同級10位・武居由樹(27)とWBAフライ級3位・桑原拓(28)が初の世界戦に挑む。

 11日の会見で大橋秀行会長(59)は、試合順とその理由を説明。大橋会長は、試合順について「予定としては世界戦の第1試合が桑原、第2試合が拓真、第3試合が武居、メインが尚弥になっている。ほぼそれで行くと思います」と語った。

 元K―1王者の武居だが、プロボクサーに転向してからの実績で言えば、現世界王者の拓真のほうが上だ。意外とも言えるこの順番について、大橋会長はこう明かした。

「兄弟で続いちゃうと、(井上)真吾トレーナーが大変だから」。息子2人を世界王者に育て上げた父の真吾トレーナーは、2023年のWBC年間最優秀トレーナーにも選出され、親子の信頼関係も厚い。2人にとって重要な存在だけに、万全の状態で2試合に臨めるように〝連戦〟を避けて、間に武居の試合を入れたというわけだ。

 大橋陣営として総力をあげて世界戦に臨む。