2024年パリ五輪の開幕まで間もなく1年となった中で、韓国メディアが21年東京五輪を引き合いに問題点を指摘している。

 パリ五輪ではセーヌ川でトライアスロンやオープンウォータースイミングが開催される。フランス政府は約14億ユーロ(約2183億円)の予算を組んで水質の改善に着手。古い下水道システムを整備し、雨水を貯蔵する大型地下施設をつくるなど、複数のプロジェクトを推進している。

 水質の改善は順調に進んでいるといい、フランスメディアからは「8月のテストイベント時には国際オリンピック委員会とパリオリンピック組織委が要求する水質基準値より良くなるだろう」との声が上がるほど。しかし、韓国メディア「朝鮮日報」は「パリのセーヌ川はどれくらいきれいになったのか」との見出しで疑問を投げかけた。

 その上で「東京五輪ではお台場海浜公園の水質が問題となった。東京都は汚染物質をろ過するスクリーンを設置し、海に砂を注ぐなど対策を立て、五輪を行った。水質と水温の両方が基準値に合致すると説明したが、これに疑問を示した報道が絶えなかった」と説明。過去の事例を挙げつつ、不安要素を指摘した。

 最後には「過去10年間で水質改善に取り組んだ効果は現れている。1990年代はセーヌ川に生息する魚種は3、4種だったが、今では30種を超える」と一定の評価を示しつつも「セーヌ川は『お風呂の水で使う水準』という目標まできれいになっていない」と糾弾。フランスの取り組みには、納得がいっていないようだ。