• TSR速報

新湊商業開発(株)

新湊商業開発の本社

新湊商業開発の本社

~能登半島地震・「新型コロナウイルス」関連倒産~

 新湊商業開発(株)(射水市)は1月31日、富山地裁高岡支部より破産開始決定を受けた。
 破産管財人には山本毅弁護士(山本毅法律事務所、高岡市広小路1-18)が選任された。
 負債総額は約2億9000万円。

 「カモン新湊ショッピングセンター」を運営していた。同施設の前身は1973年開業の量販店で、キーテナントとなる食品スーパーをはじめとした小売店が入居し、食品・衣料品・雑貨等の販売により近隣住民の生活を支えていたが、2003年1月には運営会社が破たんした。
 しかし、地元経済活性化のためにはショッピングセンターの存続が必要との判断から、新湊地区の不動産会社(株)ワタヤホーム(射水市)が同施設の不動産を購入。宮林社長が中心となって入居テナント各社に出資を募り、「カモン新湊ショッピングセンター」として営業を再開した。

 以降はショッピングセンターの運営管理を主体に行ってきたが、食品スーパーの運営会社が撤退し、その後入居する企業も現れなかったことから2008年4月、当社が「カモン食品館」として食品スーパーの経営にも乗り出した。
 しかし、新湊地区における人口減少や高齢化、同業他店との競合などから経営環境は悪化の一途をたどっていたうえ、近年は「新型コロナウイルス」感染拡大による影響も受け、2018年3月期に約6億5000万円だった売上高は、2023年3月期には約4億9000万円にまで落ち込んでいた。

 さらに、2024年1月1日に発生した能登半島地震が追い打ちとなって来店客の減少に拍車がかかり、資金繰りも限界に達したことから、1月26日を以て事業を停止していた。

 なお、ワタヤホームも1月26日までに事業を停止している。

※新湊商業開発(株)(TSR企業コード:592063429、法人番号:4230001012934、射水市本町3-12-28、設立2003(平成15)年4月、資本金1000万円)
※(株)ワタヤホーム(TSR企業コード:592063631、法人番号:9230001012590、同市本町3-12-5、設立1987(昭和62)年11月、資本金8000万円)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「早期・希望退職募集」は 27社、対象は 4,474人に 黒字企業の事業再編で増加、年齢制限ない募集も

上場企業の人員削減が加速してきた。2024年5月16日までに、「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は27社(前年同時期20社)で、対象は4,474人(同1,314人)に達した。すでに、2023年(3,161人)の年間実績を超えており、年間1万人超のペースをたどっている。

2

  • TSRデータインサイト

2023年の「個人情報漏えい・紛失事故」が年間最多 件数175件、流出・紛失情報も最多の4,090万人分

2023年に上場企業とその子会社が公表した個人情報の漏えい・紛失事故は、175件(前年比6.0%増)だった。漏えいした個人情報は前年(592万7,057人分)の約7倍の4,090万8,718人分(同590.2%増)と大幅に増えた。社数は147社で、前年から3社減少し、過去2番目だった。

3

  • TSRデータインサイト

約束手形の決済期限を60日以内に短縮へ 支払いはマイナス影響 約4割、回収では 5割超がプラス影響

これまで120日だった約束手形の決済期限を、60日に短縮する方向で下請法の指導基準が見直される。約60年続く商慣習の変更は、中小企業の資金繰りに大きな転換を迫る。 4月1~8日に企業アンケートを実施し、手形・電子記録債権(でんさい)のサイト短縮の影響を調査した。

4

  • TSRデータインサイト

2023年度の「不適切会計」開示は58社・62件 3年連続で増加、業種別ではサービス業が最多

2023年度に「不適切な会計・経理」を開示した上場企業は、58社(前年度比5.4%増)、件数は62件(同10.7%増)で、3年連続で社数、件数が前年を上回った。 2008年度に集計を開始以降、2019年度の74社、78件をピークに2020年度は48社、50件まで減少したが緩やかながら3年連続で増勢に転じている

5

  • TSRデータインサイト

【破綻の構図】テックコーポレーションと不自然な割引手形

環境関連機器を開発していた(株)テックコーポレーションが3月18日、広島地裁から破産開始決定を受けた。 直近の決算書(2023年7月期)では負債総額は32億8,741万円だが、破産申立書では約6倍の191億円に膨らむ。 突然の破産の真相を東京商工リサーチが追った。

TOPへ