広がる「野球しようぜ」 東根・大森小PTA、大谷選手寄贈グラブに34個追加

大谷選手寄贈の三つに加えPTAが新たに贈ったグラブ。子どもたちも活用に期待を膨らませている=東根市大森小

 米大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手が、日本の全小学校にグラブを寄贈した取り組みが、県内で広がりを見せている。東根市大森小(結城泰典校長、681人)では、キャッチボールなどを楽しむ機会を増やしてもらおうと、同校PTAが追加で34個のグラブを贈った。大谷選手の「野球しようぜ!」の思いに呼応した動きで、子どもたちも友人や家族との活用に期待を膨らませている。

 大谷選手寄贈のグラブはサインがプリントされた右利き用二つと左利き用一つの計三つで、昨年末から全国の小学校に届けられた。今年1月下旬に届いた同校では、1日おきに各学級で回していき、児童が触れるなどしてきた。

 一方、県内有数の児童数を抱える同校の学級数は27で、一巡するだけでも1カ月ほどを要する。使用するにも、多くの児童が一斉に関わる機会をつくるのは難しい状況だった。こうした現状を耳にしたPTA役員が中心となり、追加のグラブ寄贈を計画。室内でも利用できるボールと合わせ、左利き用も含めて34個を新たに贈った。

 PTA前会長の木村和也さん(36)と現会長の工藤圭一さん(48)が今月9日に同校を訪れ、児童の代表にグラブを手渡した。子どもたちは早速手にはめ、体育館でキャッチボールを体験。汗をかきながら夢中でボールを投げ合った。6年の浅野蓮奈(れな)さん(11)と高橋波人(なみと)君(11)は「みんなで一緒にキャッチボールができるようになってうれしい」「野球をもっと好きになれそう」と喜んだ。

 木村さんと工藤さんは、大谷選手とPTAが寄贈したグラブが体を動かして遊ぶきっかけになることを願っているとし、「子ども同士に限らず、親子のコミュニケーションにも使えるとうれしい」と目を細めた。同校は休み時間の児童への貸し出しに加え、親子行事での活用や休日の家庭への貸し出しなども検討している。

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