企業向けストレージサービス「XSKY」がシリーズEで約120億円を調達

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企業向けストレージサービス「XSKY」がシリーズEで約120億円を調達

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企業向けストレージサービス「XSKY(星辰天合)」がシリーズEで7億1000万元(約120億円)を調達した。リード・インベスターは「博裕投資(Boyu Capital)」、コ・インベスターは「君聯資本(Legend Capital)」「中金甲子(CICC Alpha)」「博華資本(Broad Vision Funds)」などのほか、既存株主の「北極光創投(Northern Light Venture Capital)」「啓明創投(Qiming Venture Partners)」も加わった。

コンピュータやインターネットの進化に伴い、ストレージ製品も絶え間なく変化してきた。第一世代はIBM社のソフトウェア・デファインド・ストレージ(SDS)、第二世代はEMC社を中心とした磁気ディスク、第三世代はフラッシュメモリと移り変わり、クラウド時代を迎えた今、コンピューティングとストレージを分離するという時代から再び統合の時代へと変化してきている。

2015年に設立されたXSKYは次世代ストレージを手掛ける企業で、データインフラ技術のプラットフォームを提供している。

ソフトウェア・デファインド・ストレージ(SDS)はサーバ上に仮想化プラットフォームを構築し、ソフトウェアによってすべてのストレージリソースを管理しスケジューリングする。SDSはブロックストレージ、オブジェクトストレージ、ファイルストレージなどに分けられ、それぞれ異なる用途に対応する。この業界には国内大手のファーウェイ、「浪潮(Inspur)」、「新華三(H3C)」のほか、グローバル企業の「VMware」、さらにXSKYのようなスタートアップ企業がひしめいている。

米調査会社IDCのレポートによると、2020年、中国のSDS市場においてXSKYは市場シェア4位となり、オブジェクトストレージの分野では3年連続で1位となった。

昨年のインタビューの中でXSKYはすでに「データの集約-保存-管理-利用」のプロセスを確立しており、完全なエコシステムの構築を進めていると説明していた。それから1年経って、製品と市場展開において大きな進展があった。

今年リリースされた新たなソリューション「企業向けSDS V5」はシステム、利用シーン、データのライフサイクルなどの面で大きく性能が向上している。

データセキュリティーに関する複数の法規が施行されたことに伴って、企業はコスト削減のために、異なる時期に異なるレベルのデータストレージソリューションを採用することを考慮する必要性が増した。

今年のXSKYの製品アップグレードもこの傾向に合わせたものになっている。。V5ソリューションのOS部分のアップグレードを行い、異なる利用シーンをカバーできるようにした。

7月にリリースしたフラッシュメモリ「XINFINI(星飛)」はQLC SSDを採用し,、高性能と低コストを実現した。XINFINIは、業界の主力のフラッシュメモリ製品に比べてデータ読み書きの性能が50%以上向上し、コストは40%減少した。その背後にはアルゴリズムと記録媒体の両面での技術革新とアップグレードがある。V5シリーズは最新の転送方式や記録媒体に対応し、従来のストレージシステムに比べて定常状態の性能が80%以上向上した。

XSKYがサービスを展開する業界は電気通信、教育、金融、医療、行政機関などで、顧客数は1000社を超える。ここ数年は成長率が100%を超えており、昨年は新型コロナ禍にも関わらず、年間売上高の成長率は106%に達した。

5GやAIなどの新技術の実用化、クラウド・エッジ・デバイス間の協調という流れによって、市場の可能性も広がっている。XSKYは成長市場に焦点を当て、5Gネットワーク下での動画、VRゲーム、病院でのAI画像診断などに対してパートナーと連携したソリューションを打ち出している。

胥昕CEOによるとXSKYの顧客は業界も地域も多岐に渡っており、異なる業界に対してシーンごとのソリューションを提供しているという。「データの保存にはサイクルがあり、顧客の要求は絶えず変化しているが、XSKYはデータ集約型の顧客に焦点を絞り、多元化したソリューションを提供している」

業界を見てみると現在のストレージ市場は従来からのシステムインテグレーターから専門的なストレージサービス業者へと移る傾向にある。IDCのレポートによると2017-20年以は中国国内におけるストレージ市場において、従来からのESSの市場シェアは67.4%から57.7%に減少したという。他方、SSDの市場シェアは23.4%に増加し、今後5年間も年平均16%のペースで成長する見込み。SDS市場は2020年に107億元(約1830億円)の規模に達した。

今回調達した資金は引き続きコア技術の研究開発に投入され、ストレージを中心にデータに関連する多元的なソリューションを展開していく。また、肝要な業界におけるサービスを強化し、実用化を急ぐという。

XSKY本社は北京にあり、北京、深圳、成都、厦門に研究開発センターを構え、技術者が全体の60%を超えている。
(翻訳・普洱)

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