Z世代の8割が西洋より漢方サプリを選ぶ。若者向け健康食品「TipsYou」が資金調達

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Z世代の8割が西洋より漢方サプリを選ぶ。若者向け健康食品「TipsYou」が資金調達

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漢方薬の薬草を使った健康食品ブランド「TipsYou」がエンジェルラウンドで数千万元(数億円)を調達した。出資者は未公表。調達資金は技術の研究開発、産業チェーンの統合、市場開拓、人材採用に充てられる。

2020年に設立されたTipsYouの創業者、周振揚氏はプーアル茶ブランドの「王子和山」を立ち上げた経験がある。王子和山は皇帝に献上されたという曼松産プーアル茶を販売し、民族および文化的な誇りも伝えているが、プーアル茶は科学技術で品質を均一にすることができないため、多くの消費者に提供するのが困難だ。ここから漢方薬の薬草を手軽な食品にするというTipsYouのアイデアが生まれた。

健康食品市場の急成長で中国式の滋養が注目されている。TipsYouの調査によると、Z世代のうち8割が西洋式のサプリメントよりも漢方薬の薬草を選ぶ傾向があり、消費者は時間をかけて安全性の高さが確かめられている漢方を信頼しているという。漢方薬の薬草を使った健康食品は中高年向けが多い中、若年層の健康に対する意識の高まりに応えるため、TipsYouは流行に敏感な若者に受ける漢方を使った健康食品ブランドを作ろうと考えた。

TipsYouはグミに薬草を混ぜることで、生薬の伝統的な堅苦しい処方プロセスを避けると共に、食感と持ち運びやすさに優れた商品を開発した。抗糖化、精神安定、保湿、目のケアなどの効能をうたう「小貼子」シリーズの販売価格は59~89元(約1060~1600円)。今年5月にアリババ傘下のECモール「天猫(Tmall)」で発売後、売上高は月間100万元(約1800万円)を超え、グミのカテゴリーでトップとなった。また、「有方」シリーズは貧血、デトックス、健脾などの効能があるという。

研究開発に力を入れるTipsYouは「実験室」で独自の細胞破壊技術によって生薬のクロマトグラフィーを行い、漢方薬の有効成分を抽出。その上で漢方の「薬食同源」という考え方に従って、栄養補助とヘルスケアを重視しながら商品レシピの最適化と刷新を進めている。

TipsYouの実験室

周氏によると、研究開発の第2段階に移行後は消費者の細かいニーズにも対応できるよう商品レシピを拡大する方針だ。消費者のヘルスケア効果を集めたデータベースにAIアルゴリズムを組み合わせてレシピを調整し、個人差に応じてカスタマイズされたヘルスケア商品を提供しようと考えている。

若者向けブランドとして、TipsYouはさまざまな生活シーンに存在するヘルスケアのペインポイントを掘り起こし、消費者と共に商品の開発を進めている。例えば、商品のパッケージと味は「95後(1995年以降生まれ)」のインフルエンサー3000人に対するアンケート結果を反映した。

TipsYouの消費者

周氏によると、既存の漢方型ヘルスケア商品では漢方薬のサプライチェーンと抽出技術が差別化のポイントとなっている。TipsYouの強みは生薬、食品、サプリメントのサプライチェーンを確立し、世界トップレベルのクロマトグラフィー技術に基づく研究開発力を有していることだ。今後は飲料、内服液、ビスケット、ゼリーといった摂取しやすい形の商品を開発すると同時に、効能も滋養、強壮、免疫調整などに広げることで、漢方型ヘルスケアを行うあらゆる層の消費者をカバーしていく。2022年の売上高は1億元(約18億円)を超える見込み。

社員は著名な消費財ブランドに携わった経験や、マーケティングと産業技術の専門知識を有する。共同創業者の何俊智氏は、深圳市で2番目に大規模な学習塾を展開する「科翰教育(Kehan Education)」 のブランド構築に関わった。

(翻訳・神戸三四郎)

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