朝ドラ『虎に翼』に全女性が勇気づけられる理由とは? さまざまな価値観が錯綜する豪華登場人物に注目

伊藤沙莉さんが主演を務めるNHK連続テレビ小説『虎に翼』が、大きな話題を集め続けています。この記事では、『虎に翼』の序盤の振り返りをしつつ、ドラマの魅力に迫っていきたいと思います。(サムネイル画像出典:『虎に翼』公式Webサイト)

『虎に翼』
『虎に翼』(画像出典:公式Webサイト

2024年4月1日にスタートしたNHK連続テレビ小説『虎に翼』は、朝ドラには珍しいテンポの良さで好評を得ています。主演は伊藤沙莉さんが務め、登場人物は女性が多く華やかで魅力的な俳優も多数出演中。

すでに4週目に入っていますが、名作とうわさになっている『虎に翼』の魅力を、元テレビ局スタッフが解説したいと思います。

日本初の女性弁護士を描く朝ドラ『虎に翼』

今回、『虎に翼』で伊藤さんが演じるのは猪爪寅子。日本初の女性弁護士で、のちに裁判官を務めた三淵嘉子さんがモデルです。
  序盤の舞台は昭和初期となり、女性はお見合いなどをして家庭に入り、今で言う「主婦」になるのが普通と考えられていました。そんな時代に、寅子はなぜ女性は結婚して家庭に入らなければいけないのか理解できず苦悩します。そして、偶然にも弁護士の世界をのぞき見ることで、これまで日本では誰もなし得なかった「女性弁護士」になる、茨の道を歩みはじめます。

そんな寅子は勇ましく頭の切れる女性かと思いきや、どこかおっちょこちょいで憎めないキャラクター。コメディーセンスの高い伊藤さんが見事に演じ、魅力あふれる人物を作り出しています。ここまでのストーリーでは、さまざまな事に疑問を持つ寅子が、その時代では当たり前だった風潮や世の中の流れに抗い続けます。

主人公・猪爪寅子の現代っ子すぎる感覚が面白い

女性が法律を学ぶ「明律大学女子部法科」に進学してからも勢いは止まらず、女性を小馬鹿にする男子学生に憤慨することも。昭和初期にはあまりいなかった、男性にも物申す寅子は現代的な雰囲気を漂わせ、価値観で凝り固まった周囲の人たちを驚かし続けます。
  そんな現代っ子のように自由な感覚を持つ寅子の、周りにいる女性たちを巻き込んで不条理に立ち向かう姿には、漫画の主人公のような格好良さを感じられます。コミカルな演技も多い寅子は朝ドラ初心者でも見やすく、ポップな雰囲気が幅広い世代の視聴者から支持されているようです。
次ページ
豪華な登場人物に魅了される!
Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

編集部が選ぶおすすめ記事

注目の連載

  • ヒナタカの雑食系映画論

    映画『デデデデ』が大傑作になった5つの理由。『前章』『後章』の構成の意義と、現実に投げかける希望

  • ここがヘンだよ、ニッポン企業

    親を就活に巻き込むオヤカク、オヤオリ…“学校化”が進む企業に忍び寄る「毒ハラ」とは?

  • 「港区女子」というビジネスキャリア

    「港区女子=事業資金集め」という選択肢。昼は不動産営業、夜は港区ラウンジ嬢だった30代女性の現在

  • 世界を知れば日本が見える

    もはや「素晴らしいニッポン」は建前か。インバウンド急拡大の今、外国人に聞いた「日本の嫌いなところ」