人生がもっと豊かになる!? 地域密着型クラブのホームタウンに住もう

職場に近い、子育てが安心、教育に適している、緑が豊か―。住む場所選びのポイントは人それぞれですが、「趣味+α」を加えてみるのはいかがでしょうか? たとえば、わが人生をもっと熱く語りたいなら、スポーツ観戦! 好きなスポーツ、ごひいきのクラブのホームタウンに住むのはファンの夢ですが、たとえファンでなくても、スポーツクラブと地域が強く結びついたエリアでのライフスタイルにはさまざまな「+α」があるのです。

「地域密着」の本来の意味

高校野球のシーズンが始まると、普段は特に野球に興味がなくても、自分の出身地の高校がどこまで勝ち進んでいるか気になりませんか? 今まさに住んでいる地域なら、なおのことです。
「おらが地域」のスポーツクラブは、その存在がまず住人同士の共通点。さらに、地域密着型のスポーツクラブは住民にさまざまな楽しみやコミュニティを提供します。地域をあげてクラブを応援することで、クラブも、地域そのものも活性化して「+α」が拡大するという発展サイクルがまわっていくのです。

地域密着型クラブというと、プロ野球の広島東洋カープやJリーグの浦和レッドダイヤモンズが有名ですが、近年、さまざまなスポーツでクラブチーム同士が競い合う「リーグ」が盛り上がりを見せています。
卓球のTリーグ、アメリカンフットボールのXリーグ、フットサルのFリーグ、バスケットボールのBリーグから、クリケットやホッケーなどのリーグまで、多くのリーグが存在します。そのうち多くのクラブチームが、地域密着型クラブとしてさまざまな地域貢献をおこなっています。

こんなにある! 首都圏一都三県の主な「地域密着型クラブ」一覧

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「観る」だけじゃない! スポーツが生活と身近になる

上記クラブの共通点は、一般の人々に「試合を観る」だけでなく、「プレーする」体験の機会を提供していること。クラブの選手が地域の学校や施設を回って指導しているケースも多く、地域の子どもたちはトップレベルのプレーに触れることができます。

また、子どもたちのためのスクールを運営する、大人のクラスまで設定する、または近隣のスポーツ施設で一般の人々が気軽に受講できる講座を展開しているクラブも少なくありません。日頃、運動不足を自覚している人でも、スポーツがすでに文化として根付いている街なら、ハードルはぐっと下がります。試合で選手のスーパープレーを観れば、「自分でも挑戦してみたい!」という気持ちがわいてくるものです。

地域密着型スポーツがコミュニティ作りにも一役

会場で同じチームを応援することで生まれる一体感は、親しい交流のスタートになりやすいといわれています。たとえ一人で観戦していても、試合展開に周囲の人と一喜一憂。こうしてうまれる自然な交流が、スポーツ観戦の何よりの醍醐味ともいえます。
もちろん、スクールや体験教室でのつながりも立派なコミュニティ。その地域で生活しなければまったく無縁だったかもしれない、さまざまな出会い・交流の場が用意されているのです。

また、住民の交流が盛んな地域は災害に対しても強いといわれています。
神奈川県川崎市は、サッカーの川崎フロンターレやバスケットボールの川崎ブレイブサンダースなど数多くの地域密着クラブを抱え、スポーツを通じた交流が盛んな街として知られています。その中心地となる「とどろきアリーナ」は、各クラブの試合や一般向けスクールの会場となっているほか、幼児から高齢者、障害をかかえる人を対象としたさまざまなスポーツ教室を開講しています。
内容は卓球、体操、ヨガ、バレーボール、太極拳、エアロビクスなど多種多様。ほかにも、幼稚園の運動会や毎年の成人式の会場になるなど、市民の「ホーム」として幅広い用途で親しまれています。その上、いざというときの避難場所としても頼もしい存在となっています。
また、川崎ブレイブサンダースのホームゲーム時には、とどろきアリーナの広場が「EXCITING BASKET PARK」に早変わり。飲食エリアやステージイベント、特設ショップなどが出現し、バスケファンに限らず多くの地域住民でにぎわいます。

「とどろきアリーナ」のメインアリーナは最大6,500席のキャパシティ。スポーツ大会やコンサートのほか、さまざまな地域イベントが行われています。サブアリーナ・体育室・研修室など、個人・団体が利用しやすい設備も充実
トレーニング室には各種機器が設置され、市民の体力維持・向上をサポート。券売機制で、中学生以上なら誰でも安価で利用できます

まだまだある! 地域の「+α」

住民の応援は選手の力。クラブが強くなり、応援席が盛り上がっていれば、「楽しそうだな」とほかの地域からも大勢のファンが試合観戦に訪れるようになります。やって来るのは観客だけではありません。人が集まれば、地元のさまざまな飲食店や商業施設が潤うのはもちろん、エンタメ系の施設なども集まります。地域の住民にとって、スポーツ以外にもさまざまな選択肢が増えることになるのです。

FC東京のホームゲーム日には味の素スタジアム横の広場に「青赤パーク」が出現。各種アトラクション、ホームタウンだけでなくアウェイタウンからも出張飲食ブースが展開され、晴れた日には多くの調布市民がのびのびと過ごします

ここまで、さまざまな“+α”を紹介してきましたが、まず何よりも、「応援している大好きなチームがある」のはとても幸せなこと。好きなチームが勝てばその後数日間は上機嫌ですし、私生活の多少のいやなことも帳消しになります。たとえチームが負けて自分も落ち込んでしまっても、仕事や家事など、自分以外のことについて真剣に思いをめぐらすのは、ストレス解消になるものなのです(←情報ソースは筆者とその友人たち)。
現時点でファンでも、まだそうではなくても、住んでいる地域に「推し」ができる生活、スタートさせてみませんか。

(最終更新日:2019.10.05)
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