「休むと選手に…」無理する心理も?運動部でクラスター

高木文子 松永佳伸
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 新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、岐阜県内では5月1日~10日の感染者のうち20代以下が約4割を占めるなど、若者の感染が目立つ。今月に入って、三つの大学の運動部で計4件のクラスター(感染者集団)が認定された。県は改めて大学生らに感染対策を呼びかけている。

 運動部のクラスターは5月だけで、朝日大(瑞穂市)で2件、中部学院大(関市)、岐阜協立大(大垣市)で各1件発生。感染者は部員や指導者、家族ら74人にのぼる(18日現在)。

 中部学院大では部員ら約120人が寮で生活しており、広報担当者は「共用部分の消毒や食事を各自の部屋でとるなど対策を取ってきたが、どこかに気の緩みがあったのか」と肩を落とす。

 朝日大でも体調管理のチェック表をつくるなど指針を定めて活動してきた。広報担当者は「団体競技では、体調不良で休むと選手になれないと無理をする心理も働く。若者の心情に沿った形で改めて対策を徹底したい」と話す。

 県によると、クラスターが発生した運動部のうち、鼻を出してマスクを着用したり、寮の中で体温計を使い回したりして感染拡大につながった例がある。以前にもクラスターが発生した部で、再び発生した例もある。

 県健康福祉部の堀裕行部長は「過去にクラスターが発生したところで(再び)発生し、大変残念」と話し、体調不良の場合は練習に出ないなど、基本的な感染対策を徹底するよう求めた。

 運動部でのクラスター発生を受け、3大学は5月末まで、原則として授業をリモートで実施している。

 県は「まん延防止等重点措置」の期間中の31日まで、県内の小中高校や大学などに学校運営の指針を示している。大学にも課外活動や練習試合を原則として中止・延期するよう求めた。4月以降に感染した県内の大学生の行動例も示して、注意を呼びかけている。(高木文子、松永佳伸)

新型コロナウイルスに感染した県内在住の大学生の行動例(県発表に基づく)

愛知県内の実家に帰省。数日後に発熱したが解熱したため、せきは続いていたが登校した

・4月下旬、まん延防止等重点措置が適用中の名古屋市で「夜の店」2軒をはしご。午後8時までの時短要請がされていたが、午後10時以降に店を利用した

・週6日間、朝と夕方に40~50人規模で部活の練習。ミーティング以外はマスクを着用せず

・部活の新入生同士で焼き肉店やスーパー銭湯を巡る。部活動中もマスクを着用せず大声を出していた

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