礎石とみられる石材確認 天台宗寺院関連の施設あった可能性 彦根

藤井匠
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 滋賀県彦根市と県立大学は、市西部の荒神山古墳群(6~7世紀)のA支群1号墳の調査で、建物の柱を支える礎石とみられる石材二つを確認したと発表した。中世の荒神山にあった天台宗寺院の奥山寺の関連施設があった可能性が高いという。昨年度の調査で見つかった横穴式石室も宗教施設として使われたとして、古墳の再利用を知る希少な例と位置づけた。

 3月に着手した第2次調査。礎石は横穴式石室の西側で見つかった。二つとも平らで、中世に墳丘を削り整地された際に設けたと判断した。二つの間隔は6・6メートル、大きさは各約40センチ四方。建物の規模は不明だ。

 横穴式石室では中世から近現代にかけた利用の変遷を確認。遅くとも室町時代には宗教的に利用され、幕末から明治初期に閉塞(へいそく)された後、再び出入りができるようになったと見ている。

 県立大学の金宇大准教授らによると、荒神山は湖東地域の修験道の聖地だった。今後も調査を継続する方針という。

 現地説明会は13日午前10時、午後2時。荒天中止。問い合わせは市文化財課(0749・26・5833)。(藤井匠)

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