若者をターゲットにしたバスツアー、高校生が企画 島根県浜田市

高田純一
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 島根県立浜田高校(同県浜田市)の生徒が、市内の名所や水産加工場を巡るバスツアーを企画した。ターゲットは若者で、浜田の魅力を再発見してもらおうとコースを設定。3月30日、高校生や大学生、若い主婦ら17人を乗せたバスが、市内を巡った。

 企画したのは、現在は普通科3年の女子生徒3人。2年の時の探究学習の授業で、地域を活性化させる企画作りに取り組んだ。3人が興味を持ったのは、若者らは地元・浜田のことをわかっているつもりだが、実は名所を知らずに過ごしてきたのではないかということだった。

 そこで浜田の見どころを伝えるバスツアーの企画を考えたが、校内発表では高評価を得られなかった。だが、企業経営者らを集めて1月に開かれた「高校生による地域づくり企画発表会」で提案すると、観光協会や旅行会社の注目を集め、バスツアーが実現した。市や企業の協力を得た3人は、ツアー先の水産加工場、寺院、公園、海岸を回り、コースを決定した。

 ツアー当日、10~40代の参加者が浜田高校に集まった。最初の目的地は市内の水産加工会社で、ブリやマグロ、調味料などを入れた缶詰づくりを体験。古寺では座禅を組み、ミモザの花が咲き誇っていた庭の鐘もついた。中国地方のサーファーが集まる浜田市下府町の国府海水浴場(千畳ビーチ)では、ヨガを楽しんだ。

 参加した市内の大学生田辺和斗さん(19)=岡山県井原市出身=は、「車を持っていないので初めての所ばかり。名所を知らなかったことを実感した。寺の座禅は初体験で、近く友だちがくるので連れていきたい」と話した。ツアーリーダーを務めた浜田高3年の岡田愛さん(17)は「浜田の観光資源に一つでも気づき、発見してくれたらという思いだった。やったかいがあった」と話した。(高田純一)

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