「職員が顔色うかがっている」批判には反論 内藤市長最後の定例会見

東孝司
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 17日の任期満了をもって退任する徳島市の内藤佐和子市長(40)が12日、最後の定例記者会見に臨んだ。市民や職員への感謝の言葉を重ねつつ、市政への批判もあったことについて「私自身がやってきたことが、うまく伝わっていない部分もある」と語った。

 内藤市長は2020年4月の就任時は36歳0カ月で、「全国最年少の女性市長」としてスタートを切った。「そのことで内閣府男女共同参画会議などに出席できた。ジェンダーギャップの解消へ少しは切り込むことができ、全国の他市町村にも影響を与えられたのかなと思う」と振り返った。

 印象に残っている施策としては、JR徳島駅前をはじめとする中心市街地の活性化を挙げた。「停滞していた新ホールに県市協調で道筋をつけた」と強調。「そごうが撤退した駅前のアミコビルもフロアの9割方が埋まってきている。(紆余(うよ)曲折のあった)新町西地区の再開発も、まもなく(現状建物の)解体というところまでこぎ着けた」とし、「徳島の中心市街地がこれから大きく動き出す」と自信を示した。

 市との関わりの深い阿波踊りでは、新型コロナの影響で20年の全面中止と21年の縮小開催を経験。「コロナがなければ、もっともっと新しくて面白いチャレンジができた」と残念がった。

 一方、新市長に就任する前職の遠藤彰良氏(68)が、市長選などで内藤市政を「職員が市長や特定議員の顔色をうかがっている」と批判したことについては、反論を展開。「市政は市長が進めたいものを提案し、議会が可決して進んでいく。市長と議員の方を見ないのなら理事者(市幹部)が勝手にやっていくのか。選挙も必要なくなる」と述べた。

 市長選投票日に朝日新聞が実施した出口調査では、内藤市政を「評価しない」との回答が55%と半数を超えた。この点について問われると「私自身がやってきたことが、うまく伝わっていない部分もある。批判があったのは真摯(しんし)に受け止めたいが、事実に基づかない批判もあった」と語った。

 記者とのやりとりに先立ち、「支えてくださった市民の皆様や、一緒に汗を流してくれた職員に心から感謝する」とのメッセージを読み上げた内藤市長。退任後のことは「まだ決めていない」としつつも、「徳島市のため、また社会のために自分なりにできることをやっていこうと思う」と話した。(東孝司)

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