審査会調停打ち切り 二葉山トンネル工費めぐり 広島

柳川迅
[PR]

 広島高速5号線「二葉山トンネル」(広島市東区)の工事の追加負担を巡って、受注した共同企業体(JV)が、第三者機関である中央建設工事紛争審査会に申請した調停が打ち切られた。発注元の広島高速道路公社が12日、発表した。

 公社によると、3月27日付で打ち切りの通知があった。審理は非公開で、打ち切りの理由は明らかにされていない。公社は「これまでも契約約款などに基づき適正に対応しており、調停の打ち切りを受けて対応が変わるものではない」とコメントを出した。

 JVに加わる大林組の広報担当者は「今後の対応は未定。住民の安心安全を第一に考える」と話した。工事は従来通り進めるという。

 「二葉山トンネル」の掘削工事は、2018年から始まった。工期は22年7月までの予定だったが、掘削機のトラブルなどでたびたび延期されていた。それに伴う工事費用の追加負担をめぐり、22年12月にJVが調停を申し立てていた。

 同月にはトンネル上の地表面が基準値を超えて隆起していることがわかり、約半年間、工事が中断した。今年3月末現在でトンネルの工事延長1407メートルのうち74%まで掘り進んでいる。(柳川迅)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません