渡御の儀の時代絵巻華やかに 春を告げる祭礼 丹生都比売神社

大野博
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 祭神に花を供えて春の訪れを祝う「花盛祭(はなもりさい)」が14日、和歌山県かつらぎ町の丹生都比売(にうつひめ)神社で営まれた。

 境内は季節の花をいけた竹筒で彩られ、地域の少女たちが巫女(みこ)の舞を披露した。クライマックスは「渡御(とぎょ)の儀」だ。

 鎌倉・室町時代には、みこしが和歌山市和歌浦の玉津島神社まで往復したといい、「浜降(はまくだ)り神事」と呼ばれた。現在の行事はこれにちなんだもので、赤いてんぐの面をかぶって高げたを履いた猿田彦の役を先頭に、古代・中世の武官のいでたちの一行が境内や神社周辺を練り歩き、法被姿の子どもたちが引くみこしが続いた。散りかけのサクラを背に、雅楽の音色が響き渡り、時代絵巻が繰り広げられた。

 名古屋市の60代の夫婦は「渡御の衣装がきらびやかで、はるばる車で来たかいがありました」と話していた。(大野博)

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