移民の歴史がつなぐ 廿日市市とハワイ郡が姉妹都市提携

編集委員・副島英樹
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 米ハワイ州ハワイ郡と広島県廿日市市が15日、姉妹都市提携を結んだ。市内で開かれた調印式で、ミッチ・ロス郡長と松本太郎市長が調印書に署名した。

 ハワイ郡が管轄するハワイ島には世界自然遺産「ハワイ火山国立公園」があり、廿日市市には宮島に世界遺産厳島神社がある。世界遺産を保存する責務を負うことに加え、ハワイ郡の日系移民の多くは広島県出身という歴史的な絆があった。

 同市によると、製糖業が発展したハワイ州へ明治時代に渡った移民は、広島県からが最も多かった。当時の佐伯郡(現廿日市市など)からの移民は、広島県からの移民全体の約3割を占めたという。こうした背景をもとに、経済、文化、教育などの分野から交流を深めていきたいとハワイ郡から提案があった。

 調印式で松本市長は「両自治体の先達の平和への思いを受け継ぎ、親密な絆をつないでいける」、ロス郡長は「共有する歴史は私たちの礎。つむいできた絆を正式なものにする」と述べた。

 廿日市市の姉妹都市提携は1998年のニュージーランド・マスタートン市に次いで2例目となる。(編集委員・副島英樹)

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