沼津最古の民家「海瀬家住宅主屋」大規模修繕 CF資金と自己資金で

南島信也
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 静岡県沼津市内最古の民家で、国の有形文化財に登録されている「海瀬家住宅主屋」の屋根の大規模修繕工事が完了した。

 海瀬家住宅主屋は木造平屋建てで、建築年代は少なくとも江戸末期で、築160年は確実とされる。地元に伝わる「天王祭」では伝統の河内神楽が舞われる民俗芸能の舞台として地域住民にとって大事な場となってきた。

 近年は建物の傷みが進み、特に約330平方メートルもある大きな屋根はトタンを張って雨漏りを防いでいた。宮大工が100年近く前にふき替えられた古い瓦をガルバリウム鋼板の瓦に取り換え、3月に修繕が完了した。

 修繕費は1740万円で、クラウドファンディング(CF)で寄せられた732万円と自己資金で賄った。

 21代当主の海瀬陽奈さん(26)は「みなさんの支援で修繕でき、感謝している」。親戚の望月万葉さん(62)は「CFの半分は地域の人々からで、海瀬家が地域に支えられてきたことがわかった。伝統を伝えていく責任を感じた」と話した。(南島信也)

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