全国で広がる「リトルベビーハンドブック」、和歌山県でも配布

松永和彦
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 小さく生まれた赤ちゃんと家族をサポートする「わかやまリトルベビーハンドブック」の配布を和歌山県が4月から始めた。その子のペースに合わせて成長や発達を記録できるのが特徴だ。

 ハンドブックの対象となるのは、出生時の体重が1500グラム未満、または2500グラム未満などで支援が必要な赤ちゃん。母子健康手帳にはなかった身長40センチ未満、体重1キロ未満でも成長の記録がつけられるグラフを用意した。

 母子健康手帳では、目安とする成長や発達について「はい」か「いいえ」で答えるが、ハンドブックではできた日付を記録できるようにした。小さな赤ちゃんに起こりやすい低体温などの症状を紹介するほか、成長に不安を感じる親へのアドバイスも添えた。母子健康手帳との併用をすすめている。

 県健康推進課によると、2022年に県内で生まれた5238人のうち、1500グラム未満は36人で、新生児の0・7%。同様の手帳は全国で導入が広がる。普及に取り組む国際母子手帳委員会事務局長の板東あけみさん(京都市)によると、今年度中に47都道府県で導入される予定だ。

 板東さんは「自分を責めたり、将来に不安を覚えたりする母親が多い」と話す。ハンドブックを活用して精神面のケアや、医療機関との情報共有に役立ててほしいという。

 県内では各市町村のほかに、日本赤十字社和歌山医療センター▽県立医大付属病院▽和歌山ろうさい病院(以上和歌山市)▽ひだか病院(御坊市)▽紀南病院(田辺市)で配布している。(松永和彦)

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