盲導犬の同伴拒否、ユーザーの4割が経験 社会参加へ「深刻な障壁」

進藤健一
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 日本盲導犬協会が盲導犬ユーザーに対し、2023年の1年間に飲食店や宿泊施設、交通機関で同伴を拒否された経験があるか実態調査したところ、あると答えた人が44%を占めた。コロナ禍で41%(20年)、35%(21年)と減少したが、前回は再び45%に増加し、ほぼ横ばいで推移している。同協会は「受け入れ拒否はユーザーの日常的な行動を左右し、社会参加への意欲をそぐ深刻な障壁となっている」と理解を求めている。

 調査は、盲導犬の利用者237人に電話とメールで聞き取りをした。昨年1年間に、盲導犬同伴を理由に「受け入れ拒否にあった」と回答したのは103人で、回数はのべ208回。拒否されたのは、飲食店55%▽交通機関12%▽宿泊施設9%の順だった。

 神奈川県内では、駅前からタクシーを利用しようとしたところ「盲導犬とはいえ、犬は乗せられない」と乗車拒否された事例もあった。後日、このタクシー会社は「乗務員の教育不足だった」と謝罪し、全乗務員に盲導犬ユーザーへの対応を周知したという。(進藤健一)

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