山口・上関の中間貯蔵施設計画めぐり中国電がボーリング調査へ

鈴木史
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 中国電力山口県上関町で計画している使用済み核燃料中間貯蔵施設をめぐり、23日にも建設予定地でボーリング調査を始めることが町関係者への取材で分かった。活断層の有無など地層を調べ、立地に適しているかどうかを判断する。

 関係者によると、中電から町幹部や町議らに「23日にボーリング調査を始める」との連絡が22日までにあったという。

 これまでの中電の説明によると、上関原発の建設を計画していた場所に近い町内の同社の所有地で、半年かけて11地点でボーリング調査を行う。

 中間貯蔵施設の建設計画は、昨年8月に中電の提案を受けて、町が「立地可能性調査」の受け入れを表明。中電は過去の自然災害についての「文献調査」を始める一方で、ボーリング調査を準備してきた。

 同月にボーリング調査のための伐採届を町に提出したが期限内に着手せず、昨年12月に再提出。今年1月に伐採を開始し、機具を搬入するモノレールを設置した。

 施設の安全性や使用済み核燃料の保管が長期に及ぶことへの不安などから、一部の町民は計画に反対。また、移住・定住促進などのまちづくりに取り組む周辺市町からも風評被害による悪影響を懸念する声が上がっており、このことが中電が伐採の着手を一時見送っていた背景にあったとみられる。

 立地可能性調査が始まったことを受け、町は原発関連の交付金を昨年度に約7400万円交付され、今年度は1億3千万円を見込んで予算に計上している。

 「原発に反対する上関町民の会」などの住民団体は2月、中間貯蔵施設の建設中止を求めて約27万5千筆の署名を中電に提出したが、中電側は「計画撤回は考えていない」と答えた。(鈴木史)

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