将棋名人戦で盛り上がり最高潮 勝負おやつはまず「黒平まんじゅう」

小林誠一
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 藤井聡太名人(21)=竜王・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖と合わせ八冠=に、豊島将之九段(33)が挑む第82期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)の第2局が23日、成田山新勝寺の光輪閣(千葉県成田市)で始まった。市制施行70年の節目での開催。成田の盛り上がりは最高潮に達している。

 新勝寺での名人戦は第62期、第72期に続き、3局目。本局の地元主催は市と市制施行70周年記念事業実行委員会。関連行事の運営はボランティア約15人も支えている。

 スカイタウン成田(同市花崎町)では23日、施設内のなごみの米屋スカイタウンギャラリーで指導対局、同スカイタウンホールで大盤解説会があった。いずれも事前に締め切られているが、成田と将棋名人戦の歴史を振り返る写真パネル展示や中継もあり、将棋ファンが駆けつけた。

 「名人戦は1回だけでも名誉なのに3回目。感慨深い」と指導対局で司会を務めた山田勇人(はやと)さん(67)。諏訪峰雄さん(68)も「成田子ども名人戦といった将棋の普及活動が評価されたのならうれしい」と話した。2人とも第62期から関連行事の運営に携わっている市の元職員だ。

 指導対局はプロ棋士5人のうち、3人が県内出身。近藤誠也七段(27)は「毎年のように新勝寺に初詣をした。1日を通して将棋を楽しんで」と来場者に呼びかけた。参加した市内の小学6年、前田大和さん(11)は「藤井名人の粘り強く、負けず嫌いなところが好き」と話した。

 将棋名人戦で注目を集めているのが、地元銘菓10品の「勝負おやつ」。まず、23日午前10時に藤井名人が「菜花の里」(同市寺台)の「黒平(くろべら)まんじゅう」を選んだ。豊島九段は注文しなかった。菜花の里は「他より見た目が地味なので驚いた。ものすごく光栄」。黒平まんじゅうは、客の求めに応じて2003年から販売している。せいろ蒸しで、ふっくらと仕上げているという。本店や成田山参道などで売っている。

 午後3時には藤井名人が「成田産さつまいものショートケーキ」(ホテル日航成田)、豊島九段が「妖精のお芋モンブラン団子」(成田参道房の駅)を注文した。おやつは24日も用意されており、関係者が行方を見守っている。

 成田対局は、初防衛をめざす名人の開幕2連勝か、第77期以来の復位に向けて挑戦者が1勝1敗のタイに戻すか、シリーズ序盤の重要局。24日夜までに決着する見込みで、関連行事は同日にも一部が予定されている。(小林誠一)

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