電気柵を設置、生息数を調査 クマ対策、富山県や市町村が話し合う

小西良昭
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 ツキノワグマ、イノシシなどの獣害対策を話し合う富山県の会議が23日、今年度の初会合を開いた。昨年度はクマによる人身被害が全国で219人(うち死者6人)と過去最多。県内でも1人が亡くなり、8人がけがをした。侵入を防ぐ電気柵を設けるなどの対策を決めた。

 県内のクマ出没は昨年度636件で、人身被害件数ともに過去4番目に多かった。ブナやコナラなどドングリ類の不作で、エサを求めて平野部に出て来たとみられる。県は今年度、クマ対策の主な支援や生息調査に計3050万円の予算を組んだ。

 主な対策は次の通り。事業補助金(パトロール、柿など放任果樹の除去、訓練・研修)▽生息調査(わなの近くで自動撮影し、個体数を推定。100カ所)▽3年間で森林を整備(やぶを刈り、見通しの良い緩衝帯を整備。侵入を防ぐ電気柵を集落との境に設置)。

 県の担当者は「春の大型連休前後にクマに襲われる事故が起きている。山菜採りなどではヘルメット、鈴、スプレーなどを準備し、子連れのクマに近づかないでほしい」と話した。(小西良昭)

クマへの備え(富山県まとめ)

 屋敷林や家の近くのやぶを減らす▽納屋、車庫の施錠▽電気柵の設置

【春】山菜採りに注意(鈴、ラジオを鳴らす。撃退スプレー、ヘルメット、なたを携行)

【夏】河畔林など出没情報に注意▽ミツバチの巣は誘引物。近くの家は注意

【秋】柿の実、不用の木を除く

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