ベントナイト混合率下げ 「安全性度外視はしない」原燃社長

江湖良二
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 原発の運転中に出た放射性廃棄物を保管する日本原燃の「低レベル放射性廃棄物埋設センター」(青森県六ケ所村)について、原子力規制委員会が安全上の懸念を指摘した問題で、同社の増田尚宏社長は25日、安全性に問題はないとの認識を示した。規制委側と見解にズレがあり、6月にも開かれる公開会合で厳しいやりとりがありそうだ。

 同センターでは濃縮廃液など低レベル放射性廃棄物をコンクリートの箱で囲い、深さ約20メートルの地中に埋める。原燃は2021年に規制委から事業変更の許可を得た際、放射性物質が漏れるのを防ぐため、水を通しにくい粘土鉱物「ベントナイト」を約20~30%混ぜた土を使うとしたが、昨年から12・5%に減らすと、原子力規制庁に非公開の面談などで説明してきた。

 24日の規制委定例会で、石渡明委員が「性能が保てるのか」と疑問視。規制委は6月にも公開会合を開き、安全性を確認すると決めた。

 増田社長は25日に青森市で開いた記者会見で、「安全性能を満たすためで、(20~30%という数字は)約束したものではない」と強調。水が中に入ったり中のものが外に出たりしない性能を約束しており、20~30%という数字は「一例として示した」とした。

 ベントナイトの比率を下げる理由については「潤沢にベントナイトがあるわけではなく、適切なレベルでなるべく安全サイドにいくものを選んだ」と説明。「コストを優先するために安全性を度外視することはない」と主張した。(江湖良二)

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