クマの人身被害に見舞金 死亡や負傷で5万~30万円、北秋田市

滝沢隆史
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 昨年、クマによる人身被害が多発した秋田県北秋田市は、クマに襲われるなどして死亡したり負傷したりした場合に、被害者に見舞金を贈る制度を新設する。26日の市議会臨時会で、事業費50万円を盛り込んだ今年度一般会計補正予算案を可決した。県によると、クマの被害に対する見舞金の支給は、県内の自治体では初めてという。

 昨年、市内のツキノワグマによる人身被害は過去最多の計15人に上った。10月19日には市中心部の市街地で、通学でバスを待っていた女子高校生ら5人が次々に襲われ、けがをした。市は「1シーズンで2桁の被害者が出たのは異常で、過去に例がないのではないか」とする。

 見舞金は、市内で被害に遭った市民が対象。死亡した場合は遺族に30万円、負傷者には5万円を一律支給する。ツキノワグマのほか、イノシシとニホンジカによる被害も見舞金の対象にした。

 市によると、同様の見舞金制度は、埼玉県神川町や石川県加賀市新潟県魚沼市などが導入しており、支給額などの参考にした。市の担当者は「市民から見舞金制度を要望する声もあった。人身被害を受けた市民への応急的な支援をしたい」と話す。

 県によると、昨年度の県内のツキノワグマの人身被害は70人に上り、過去最悪だった。ツキノワグマを巡っては、環境省が今月、ヒグマとともに指定管理鳥獣に指定している。(滝沢隆史)

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