肉親捜しの中国残留孤児おさめた写真の数々 名張で5月3日から展示

小西孝司
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 第2次大戦末期にソ連の対日参戦に伴う混乱などで、旧満州中国東北部)に取り残され、肉親と離ればなれになった中国残留孤児。肉親を捜すためにかつて来日した時の様々な姿や表情をとらえた写真展が5月3日、三重県名張市元町のリバーナホール(イオン名張店3階)で始まる。6日まで。

 撮影したのは、同市梅が丘南1番町の羽馬(はば)幹生さん(81)。羽馬さんは電機や造船の会社で働きながらカメラを学び、日本報道写真連盟や全日本写真連盟の会員になった。肉親捜しの訪日調査が始まった1981年から88年まで計17回、当時の厚生省の依頼を受けた報道写真家の浜口タカシさんに同行し、中国残留孤児が関西を訪れた時の写真を撮影した。「多い時は一度に200人が来日しましたが、プレゼントするために徹夜で写真を焼いていました」

 今回、身元が判明して肉親との再会を抱き合って喜ぶ姿や、京都や大阪の観光地で野だてを楽しんだり着物を着たりしてくつろぐ様子など約70点を「古都の残留孤児」と題して展示する。

 厚生労働省によると、2818人が孤児と認定され、身元がわかったのは半数弱にとどまる。羽馬さんが残留孤児の写真展を開くのは今回が初めて。「残留孤児のことを知らない世代が多くなった。戦争の悲劇を知ってほしい」と話している。

 入場無料。午前10時~午後5時(初日は午後1時から、最終日は午後3時まで)。問い合わせは羽馬さん(0595・64・3721)へ。(小西孝司)

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