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中田翔、巨人に加入で「中島宏之、ウィーラー、ハイネマン」の起用法は?

 

和製大砲としての実績は十分


巨人原辰徳監督(左)、中田翔(写真=大泉謙也)


 暴力トラブルにより、無期限の出場停止処分を命じられていた中田翔が日本ハムから巨人に無償トレードで移籍したことが8月20日、両球団から発表された。
 
 中田は今季打撃不振からなかなか抜け出せず、急性腰痛で戦線離脱するなど苦しんだ。打率.193、4本塁打、13打点と振るわず、後半戦での巻き返しを期待されたが、8月4日のエキシビションマッチ・DeNA戦(函館)の試合前に、ベンチ裏で後輩の選手と会話していた際に、腹を立てて手を出したことが判明。日本ハムは11日に中田に対し、統一選手契約書第17条(模範行為)違反で一軍・ファームすべての試合の出場停止処分を科したことを発表していた。

 過ちを猛省して新天地で復活を目指す中田だが、和製大砲としての実績は十分だ。日本ハムで不動の四番を務め、2014、16、20年と3度の打点王を獲得。昨季は本塁打王に輝いた浅村栄斗に1本差で届かなかったが、自己最多の31本塁打をマークした。侍ジャパンでも13、17年のWBCに2度出場するなど国際舞台でも活躍してきた。優勝争いを繰り広げる巨人で、中田の加入は大きなプラスアルファになる可能性を秘めている。

巨人・中島宏之(写真=佐藤真一


 一方で、一塁を本職とする中田の競争相手になるのが中島宏之だ。18日のヤクルト戦(松山)で決勝打となる逆転適時打を放つなどチームへの貢献度は高い。崖っぷちから復活しただけに、簡単に一塁の座を中田に譲るわけにはいかない。18年オフにオリックスから巨人に移籍したが、19年は43試合出場で打率.148、1本塁打。野球人生の危機を迎え、代名詞だったバットを大上段に掲げる構えからグリップの位置を両肩より下げ、左足の上げ幅を小さくした打撃フォームに改造した。すると、直球に差し込まれることが減り、確実性が増して広角に安打を重ねて輝きを取り戻した。

 昨年は100試合出場で打率.297、7本塁打、29打点とリーグ優勝に貢献。今季もJ.スモークが退団後は一塁でスタメンの出場機会が増え、勝負強い打撃を見せている。39歳とベテランの中島だが夏場に強い。8月の月間成績を見ると、オリックス時代の16年が打率.330、17年が同.342、18年も同.313といずれもハイアベレージ。昨年の8月も月間打率.362、2本塁打、9打点と打ちまくり、一塁のレギュラーを不動のものにした。代打の切り札としても頼もしい存在だけに、原監督の起用法が注目される。

新助っ人も9月中旬には加入


レッズ時代のハイネマン(写真=Getty Images)


 また、巨人は6日に前レッズ傘下3Aのスコット・ハイネマンの獲得を発表している。ハイネマンはメジャー通算5本塁打、3Aの通算成績は166試合で打率.304、20本塁打とアベレージヒッターとして活躍していた。俊足で守備能力の高さにも定評があり、外野の全ポジションと一塁を守れる。今月中に来日し、隔離期間を経て9月中旬までのチーム合流を目指すが、外野で起用する方針だ。ハイネマンが外野に回れば、主に左翼を守るウィーラーが一塁に回る可能性が高い。今季は打撃好調で打線を牽引しているウィーラーをスタメンから外すことは考えづらいが、中田が結果を残せばレギュラー争いは激化する。

 中田は20日に行った入団会見で、「本当にやっぱり、自分はいちからやり直す気持ちと、しっかり覚悟を持ってやっていかなければいけないと思っているので、もちろん、そう簡単に信頼を取り戻すことはできないかもしれませんが、一からしっかりと自分を見つめ直して、野球人として、人としてしっかり前に進んでいきたいと思っています」と思いを吐露した。新天地での活躍が注目される。
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